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知っていれば得する?数字上のヨセ計算【河野臨九段インタビュー】

 今回は「ヨセの大きさの計算方法」を河野臨九段に伺いました。「先手ヨセの概念は奥が深くて、僕は簡単に判断できません」と河野九段。基本的な計算を説明しながら、数字だけの世界で見た『手番を考慮したヨセの法則』を紹介して頂きました!

河野臨九段のプロフィール
 昭和56年(1981年)1月7日生。東京都出身。小林光一名誉棋聖門下。平成8年入段、18年九段。日本棋院東京本院所属。
【主要な実績】
2005年:
第31期天元位獲得
2006年:第32期天元位防衛(九段昇段へ)
2007年:第33期天元位防衛
2008年:第17期竜星戦優勝
2012年:第38期天元戦挑戦者
2013年:第38期碁聖戦挑戦者
2014年:第39期碁聖戦挑戦者、第23期竜星戦優勝、第39期名人戦挑戦者、第21期阿含・桐山杯準優勝
2016年:第23期阿含・桐山杯優勝
2017年:第41期棋聖戦挑戦者
2019年:第74期本因坊戦挑戦者
2020年:第44期棋聖戦挑戦者
2021年:第45期棋聖戦挑戦者


計算はできなくても良い

「(ヨセの計算は)便利だけど必須ではない」と河野九段

 まず、前提のお話からさせてください。本音を言ってしまえば「ヨセの大きさは正確に把握しなくても打てる」と僕は思っています。理由の1つは、数えずに打っても、数えて打っても、一手の価値は変わらないからです。

 例えば、ある程度の実戦経験があれば、終盤でどの場所が大きいのか、数えなくても大雑把に見当はつくはず。また、成功と失敗を繰り返して、ヨセの精度は少しずつ上がります。

 もちろん、数えられた方がヨセの大きさを正確に把握できるので便利です。ただし、計算するには「(部分的に)最善のヨセがわかる」という大きなハードルがあります。数値を出す行為自体が限定的であり、特殊な行為であることをわかっていてほしいです。

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