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第89回碁界の礎百人―片岡聡わずかに届かず、趙治勲本因坊6連覇【趙治勲⑨片岡聡②】

 本因坊戦連覇の記録といえば、高川格の9連覇、坂田栄男の7連覇、石田芳夫の5連覇が昭和の記録だった。それを上回るのが平成元年(1989)から始まった趙治勲の10連覇である。そのすべてを列挙しよう。

〈趙治勲、本因坊10連覇の軌跡〉
順に期、相手、趙から見た勝敗
第44期 武宮正樹に挑戦、4勝0敗で本因坊奪取
第45期 小林光一の挑戦を4勝3敗で退け、防衛
第46期 小林光一の挑戦を4勝2敗で退け、防衛
第47期 小林光一の挑戦を4勝3敗で退け、防衛
第48期 山城 宏の挑戦を4勝1敗で退け、防衛
第49期 片岡 聡の挑戦を4勝3敗で退け、防衛
第50期 加藤正夫の挑戦を4勝1敗で退け、防衛
第51期 柳 時薫の挑戦を4勝2敗で退け、防衛
第52期 加藤正夫の挑戦を4勝0敗で退け、防衛
第53期 王 立誠の挑戦を4勝2敗で退け10連覇

 3年連続のライバル対決となった趙―小林戦を除くと、対片岡聡戦が最も接近した勝負だった。ここではその最終局を紹介しよう。

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