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第77回碁界の礎百人―小林光一、満を持して名人に【小林光一①趙治勲⑤】

 少年時代からライバルと見られていた小林光一と趙治勲だが、タイトル戦に登場したのは4歳下の趙が断然早い。趙は18歳のとき、天元戦の前身の日本棋院選手権戦で坂田栄男に挑戦。2連勝後の3連敗で敗れたものの、直後のプロ十傑戦決勝で加藤正夫を3連勝で降して優勝した。
 一方の小林の初タイトルは昭和52年の第2期天元戦で、杉内雅男を3勝1敗で破ったもの。このとき小林は25歳。趙―小林のタイトル戦が実現したのは昭和57年の第37期本因坊戦。挑戦者の小林は健闘したものの、2勝4敗で趙の堅塁を崩すには至らなかった。
 しかし30歳を過ぎて小林は急成長する。昭和60年の第10期名人戦でついに打倒趙を実現させた。ここではその第4局を紹介しよう。

第10期名人戦第4局。小林(右)が趙に勝ち、3勝1敗に

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