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一力、2連勝!【第10回応氏杯世界選手権・決勝五番勝負第2局】

 日本の第一人者が、夢の舞台で存分に力を発揮している。
 一力遼九段と中国・謝科九段が争う「第10回応氏杯世界選手権決勝五番勝負」が中国・重慶市「重慶尼依格羅酒店」で開催され、8月12日に第1局、14日に第2局が行われた。
 第1局は既報のとおり、神がかったシノギの技で一力が先勝。
 ぜがひでもこの第2局をものにして、優勝に向けて弾みをつけていきたいところだったが……。
 中盤過ぎ、一力が猛然と謝の大石を攻めたてたものの、思うような戦果を挙げられず、地合ははっきりと謝が優勢。謝が勝利をつかみかけていた。
 遠く日本棋院から一力に声援を送る一力の師匠・宋光復九段や大盤解説担当の小林覚九段、そのほか棋士控室に集まった若手棋士ら「一力応援団」もほとんどあきらめ顔。
 芝野虎丸名人や横塚力七段ら若手検討陣は「さすがに白がかなり苦しい」と首をふり、宋九段は「遼はさ、『ここで勝てれば』って大一番になるとやらかしてしまうことがあるんだよね。今回は遼にしては不出来な一局だったよ。でも、まあ、まだ五番勝負は終わったわけではないしね……」と肩を落としてため息をついていた。
(記・関根新吾)

小林覚九段(右)による大盤解説会。左は中島美絵子三段
一瞬の隙を突き、逆転を果たした一力
謝科は地合で先行し、逃げ切り濃厚と思われた。悔しい敗戦に

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