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芝野名人、2連覇達成 【第48期名人戦七番勝負第6局・棋譜解説】

 芝野虎丸名人3連勝のあと、井山裕太挑戦者が2勝を返して迎えた第6局は、11月2、3日の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で打たれた。
 連勝して盛り返し勢いに乗る井山挑戦者に、芝野名人がどう流れを変えて応戦するか、注目された。
 第5局が終わってから9日間、芝野名人は久しぶりに家でゆっくり過ごせたという。一方の井山挑戦者は、防衛する王座戦第2局(余正麒八段に半目負け)、棋聖戦挑戦者決定戦で許家元九段を下し挑戦権を得るなど多忙なスケジュールをこなしていた。
 静と動。この過ごし方の違いは影響するのだろうか。


〈第48期名人戦七番勝負・第6局〉
黒 芝野虎丸名人 白 井山裕太王座
 

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〈第1譜〉1―25 

 白10まで速い進行で意外に見ない布石だ。「左下が逆向きの一間ジマリなら見たことがある」と新聞解説の河野臨九段。
 黒はぐんぐん15まで押していくのはAI時代の打ち方。白16まで、これで互角だという。
 黒は17とヒラいた。立会人の張栩九段は「芝野さんらしい打ち方かな。個性が出ている」。「井山さんは黒のような打ち方はしませんね。もし黒が井山さんだったらえっ?  と驚きます」と河野九段。

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