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第88回碁界の礎百人―藤沢秀行67歳、王座戦連覇【藤沢秀行⑪小林光一⑦】

 王座戦は加藤正夫が昭和57年から平成元年まで8連覇したあと、羽根泰正が加藤を破って初の王座を獲得した。しかし平成3年(1991)藤沢秀行が羽根を破って王座に。66歳でのタイトル獲得は空前の快挙だった。
 そして平成4年、藤沢は最強の挑戦者、小林光一を迎える。挑戦手合を前に藤沢はこう語った。「一度小林くんと番碁を打ちたいと思い、棋聖戦か名人戦に挑戦するつもりだったが、なかなかチャンスがない。それが小林くんの方から出てきてくれた。ありがたいことだ」。
 67歳の藤沢、棋聖と名人を連覇中の小林。人気は沸騰した。とくに藤沢は「熟年世代の希望の星」といわれた。二人の五番勝負はもつれた。ここでは200手を過ぎても揺れ動いた第3局を紹介しよう。

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