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第83回碁界の礎百人―武宮、本因坊戦5連覇ならず【武宮正樹③趙治勲⑦】

 昭和末から平成元年(1989)にかけて、棋聖と名人を握る小林光一、本因坊4連覇の武宮正樹、それにビッグタイトルこそ手が届かなかったものの、実績では最右翼の趙治勲を合わせて3強と称していいだろう。
 武宮の本因坊戦での戦績は次のとおり。昭和51年(1976)、石田芳夫を4勝1敗で破って本因坊に。52年、加藤正夫に1勝4敗で敗れ、本因坊を失う。55年、加藤を4勝1敗で破って本因坊復位。56年、趙治勲に2勝4敗で敗れ、本因坊を失う。60年、林海峰を4勝1敗で降して本因坊に。61年、山城宏を4勝1敗で降して連覇、62年、山城を4勝0敗で降して3連覇。63年、大竹英雄を4勝3敗で降して4連覇。13年間で8回の本因坊戦七番勝負を経験している。本因坊戦男などと呼ばれたのもうなずけよう。
 しかし平成元年、最強の挑戦者=趙治勲を迎える。ここでは趙先勝に続く第2局を紹介しよう。

5連覇がかかる武宮(左)に復冠を目指す趙が挑戦した本因坊戦。写真は第2局

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