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第94回碁界の礎百人―55歳加藤正夫、23年ぶりの本因坊【加藤正夫⑦王銘琬①】

 本因坊戦は平成元年(1989)から10年まで、趙治勲が10連覇の大記録を達成したあと、タイトル保持者が次々と入れかわる。11連覇をめざす趙治勲に挑戦したのは29歳の趙善津。趙善津は前評判を吹き飛ばして4勝2敗で趙治勲から本因坊の座を奪う。しかしその翌年、王銘琬に敗れ、本因坊は1期だけで終わってしまう。翌平成13年には21歳の張栩が王銘琬本因坊への名乗りをあげ、大いに盛りあがったものの、3勝4敗で本因坊奪取ならず。
 そして平成14年(2002)には大ベテランの加藤正夫が挑戦者に。55歳の加藤と挑戦権を争ったのは25歳の羽根直樹。リーグ最終局、加藤は大逆転で羽根を退け、七番勝負に登場した。
 その王銘琬―加藤正夫戦は、いきなり加藤2連敗。しかし「内容は悪くなかったので悲観はしていなかった」と語ったように、力勝負の第3局を制すると、以降3連勝で本因坊復帰を果たした。ここでは最終局となった第6局を紹介する。

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