
【現代碁の最前線】小目の二間バサミ定石オススメ戦法【広瀬優一七段③】
前回に続き、小目の二間バサミ定石で現れる「最新のハサミ対策」を広瀬優一七段の解説でお送りします。「定石の流れをコントロールできるのでオススメです」と広瀬七段。積極的に仕掛けることが、かえって安全になる現代定石の活用方法を紹介します。

広瀬七段インタビュー
――普段の勉強方法を教えてください。
「AIの研究が半分以上ですが、僕は人の碁を見るのが好きです。例えば、多くの実戦例を見て『最近こういう形が打たれている』というのがわかるので、それから流行形など調べることが多いです」
――1つの形を徹底的に調べるより、観戦で気になった形を調べる方が多いですか?
「もちろん、1つの形を徹底的に調べることもありますが、僕の場合、感覚が悪くなることがあるんですよね」
――感覚が悪くなるとは?
「1つの形や定石を研究すると、全体的なバランスが見えなくなるタイプなんです。後は感覚も良くないと思っているので、その改善という意味でも、人の碁を見て勉強しています。後で、AIの評価と自分の感覚を照らし合わせるイメージです」
――アマチュアの方に、難しい形になりそうな局面でどういったことを準備すべきか、何かアドバイスをお願いします。
「僕が言えたことではありませんが、明らかに定石を深く知っている相手なら『自分が知らないことはあまりやらない方が良い』です。研究を外す手段を知っておくのも大事ですね」
――簡明な定石を準備した方が良いということですね。
「ただ、僕の場合、難しい形をやりたくなって潰れてしまうんですよね。練習碁だったらいいんですけど、手合でもたまにやってしまって……」
――そうは言っても、昨年は勝率1位になるなど好成績でしたよね。
「自分は定石の知識は少ないんですけど、難解な変化に取り組むのは好きなんです。心意気が良かったかもしれません(笑)」
テーマ図「攻めは最大の防御」

白1と黒2を交換した後、白3とハザマを突くのがオススメ。複雑な戦いに引き込まれるように見えて、今まで紹介した定石よりも、わかりやすい進行へ収束できます。
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