見出し画像

妙手の応酬、芝野が挑戦者に【第72期王座戦・本戦決勝】

 井山裕太王座への挑戦をかけて、日本碁界でいま最も打てている二人が激突した。
 「第72期王座戦」(主催・日本経済新聞社)挑戦者決定戦が8月30日に日本棋院東京本院で行われた。挑戦者決定戦に勝ち上がったのは、一力遼棋聖と芝野虎丸名人。現在、名人戦七番勝負が進行中だけれども、ここでも一力と芝野がぶつかった。まさに実力伯仲の両者だけに、序盤から難戦が続き、一進一退の攻防が繰り広げられた。

対一力戦を7連敗で止め、3年ぶりの王座戦登場
必殺の手筋が決まったかに思われたが……

 クライマックスとなった中盤の一場面を紹介しよう。
 先番は一力。現在、下辺黒を取り込んで、白番の芝野が優勢。だが、下辺黒を捨て気味に打っていたのは、一力がある手筋を見ていたからだ。

ここから先は

901字 / 2画像
この記事のみ ¥ 110

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!