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井山、明るくサバき白星返す 第2局棋譜解説【第72期王座戦五番勝負】

 井山裕太王座に芝野虎丸名人が挑戦する「第72期王座戦五番勝負」(主催・日本経済新聞社)第2局が10月25日、愛知県蒲郡市「銀波荘」で行われた。
 井山対芝野の碁は、いつも力比べの大熱戦になる。今シリーズの第1局がよい例で井山のシノギと芝野の攻めが真っ向からぶつかる難戦だった。
 この第2局もやはり井山のシノギと芝野の攻めと同様の展開をたどったものの、今回は井山の明るいサバキに軍配が上がった。攻められた石をサラリと捨てて、形勢は十二分との好判断が光る一局となった。
 立会人は山城宏九段、記録係は伊藤健良三段と保田翔太二段、新聞解説は羽根直樹九段、映像解説は六浦雄太八段。
(記・関根新吾)

三河湾の美しい情景を目の前に望む西浦温泉「銀波荘」。数々のタイトル戦の舞台になった
初手を打つ井山王座

〈第72期王座戦五番勝負・第2局〉
 井山裕太王座 白 芝野虎丸名人

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〈第1譜〉1-33 「頭の体力」

 井山の先番。右下、黒13ハサミに白14以下は昔からある定石で、白32まで一段落。ここまでは両者ともスイスイと手が進む。形勢は完全に互角である。
 盤上とは少し離れた話をひとつ。最近、芝野の過密日程が話題になっているけれど、六浦八段が芝野に聞いたところでは「まったく平気」とのことだった。六浦八段は「芝野名人は頭の体力、囲碁の体力がすごいのですよ。僕なら1局打っただけでヘトヘトになるのですが」という。

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