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第33回碁界の礎百人―満天下、先相先・定先【呉清源⑧高川格③】

 呉清源の打込み十番碁を順に追ってみよう。上から昭和の年、対戦相手、そして結果。4局勝ち越しで手合が変わる方式である。
・15年 木谷實   互先で第6局に呉の5勝1敗となり、木谷の先相先に。
・17年 雁金準一  呉の4勝1敗となったところで十番碁は中止。
・22年 橋本宇太郎 第8局で呉の6勝2敗となり、橋本先相先に。
・23年 岩本薫   第6局で呉の6勝2敗となり、岩本先相先に。
・26年 橋本宇太郎 橋本先相先で呉の5勝3敗2ジゴ。橋本の先相先は変わらず。
・27年 藤沢庫之助 第9局で呉の6勝2敗1ジゴとなり、藤沢先相先に。
・28年 藤沢庫之助 藤沢先相先で呉の5勝1敗。藤沢定先に。
・29年 坂田栄男  坂田の先相先で呉の6勝2敗。坂田定先に。
 一流陣に対して、ほとんど先相先か定先に打ち込んだ呉の無敵ぶりは恐ろしいほどだ。残る最後の相手は本因坊の高川格しかいない。高川は八段だったが、本因坊4連覇によって九段格が認められ、呉と互先。しかし30年から31年にかけての十番碁は、いきなり高川3連敗。第4、6局のカド番をしのいだものの、第8局でつかまった。

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