第60回碁界の礎百人―高木、タイトルに届かず【高木祥一 坂田栄男⑯】
昭和40年代後半、タイトル戦線を賑わせたのは林海峰を筆頭に、大竹英雄、石田芳夫の若手陣、そしてベテランの坂田栄男、藤沢秀行らだった。ここに割り込もうとしたのが高木祥一である。高木は第11期十段戦予選で石田を破るとトントン拍子に勝ち進み、挑戦者決定戦でも林海峰に完勝。こうして坂田栄男十段への挑戦者に躍り出た。坂田52歳、高木29歳。年齢差はともかく、勢いを評価して高木有利との声もあった。
しかし五番勝負は一方的な結果に終わった。初のタイトル戦に緊張したのか、高木本来の力を発揮できず、失着や見損じが相次いでストレート負け。ここでは大見損じが話題になった第2局を紹介しよう。
ここから先は
408字
/
1画像
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!