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先入観を捨て、段階的に経験を積み重ねることが大切【水間俊文八段インタビュー】

 今回は普及や指導の経験豊富な水間俊文八段に『囲碁を教えるノウハウや心構え』をインタビュー。「よく言われる教え方は高いレベルで難しい。経験の中で様々なことに気づく環境作りが大切」と水間八段。これから囲碁を始めたい方にどのような指導をすべきか、水間流の教え方を伝授します。

水間俊文八段のプロフィール
 昭和48年(1973年)2月8日生。鹿児島県出身。大窪一玄九段門下。平成2年入段、令和2年八段。日本棋院東京本院所属。

基本は「生徒を見ること」

陣地の説明でよく使われる図

 ――はじめに囲碁を全く知らない方へ教える時、どのような気持ちで臨むべきか、教えてください。
 「指導される方がどういった人なのか。例えば、能力や年齢、性別、性格などを踏まえた上で、適した指導方法を見つけて実践することが基本。杓子定規に『これを教えておけば良い』と臨むのは危険です」

 ――例えば、碁盤を黒石と白石で半分に分けて、黒石で隔てた方が黒地、もう片方が白地と教えることが多いですよね。
 「大まかに知る上では良いです。ただ『陣地とは何か』など考え始めると難しいのです。コウや着手禁止点も含め、聞き慣れない単語が出ると生徒側の理解が追いつきません。『何を目的とし、何を伝えなければならないのか。何が伝わるのか』ということを生徒に聞き、生徒を見て判断することが大切。考えていることが分からないと、作戦の立てようがないですからね」

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