見出し画像

一力、さすがの大局観【第72回NHK杯】

 前期優勝の一力遼NHK杯(27)がシードの2回戦から登場。大竹優七段(22)相手に序盤から快調な打ち回しを見せ、寄せ付けなかった。解説は寺山怜六段。


〈第72回NHK杯2回戦・第9局〉
白 一力遼NHK杯 黒 大竹優七段

一力(左)と大竹

※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。

〈第1譜〉1―19

 対戦成績は、一力の2勝。「一力さんは万能型ですが、攻めよりシノギ、厚みより地を好みます。大竹さんも基本はバランス型。ヨセを得意とし“令和の平明流”と呼ばれています。彼は中部総本部の所属。私が中部対局の時、時折、食事をともにします。よくしゃべる、快活な青年です」と寺山六段。
 黒5のダイレクト三々に白14までは、最も簡明な型。「黒9が一つのポイント。1図、黒1とツケるのもありますが、白2とオサえてくる可能性があり、難しい戦いになります。実戦の9なら分かりやすい」。
 黒19まで、典型的なAI(人工知能)流の布石である。

1図

ここから先は

2,073字 / 22画像
この記事のみ ¥ 220

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!