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【現代碁の最前線】スピード加速のケイマ受け活用術【孫喆七段②】

 今回は小目のケイマ受けをうまく活用するための「整形テクニック」を孫喆七段の解説でお送りします。見た目以上に耐久力の高い特徴を活かし、手抜きでガツガツ地を稼げる理由を紹介します。実利派の方には、相性の良い打ち方であるはずです!

「知識を得たら対局で試すのが大事」と語る孫七段

孫喆七段インタビュー
 ――普段の勉強方法を教えてください。
 「トッププロの対局を見て、自分に取り入れられる部分を探したり、形勢が接近した局面で『自分ならどう打つか』を考えて勉強することが多いです。気になる変化を徹底的に調べる場合もありますが、広く浅く見ていろいろなことを知るタイプです」

 ――部分的な戦いや定石になった時、知識の差が生じるリスクがありそうですが。
 「(定石や手筋など)知ったら練習碁などで試しています。実戦で打たないと分からない部分もありますからね」

 ――自分で研究するのと、実戦で得られるものの違いは?
 「研究の場合、AIの第一候補の変化が印象に残ると思います。実戦なら、相手が正解ではない道(又は想定していない変化)で打ち進められた時の対応力が求められるので、AIだけで調べるより、深い理解に繋げられると思います

 ――AI研究も大事ですが、同等以上に実戦経験も大切ということですね。
 「僕の場合、院生の頃から対局以外していないぐらいです。プロになる前は毎日4、5局打っていたと思います。棋譜並べは全くやっていません。当時、詰碁はあまりやってこなかったですが、最近は力を入れています」

 ――詰碁はどのように取り組んでいますか?
 「正答率が9割いくようにしています。理由は、前の自分と比べて信じられないミスが増えたような気がして、問題をたくさん解いても、ミスが出ると意味がないと思ったんです。それだったら、そこまで問題数を解かなくても、絶対に間違わないようにしようと」

 ――繰り返し詰碁を解くイメージですか?
 「新しい詰碁に触れる機会が多いですね。例えば、たまたま難しい詰碁にぶつかったら、1日中考えることもあります。適当な答えを出さないようにしています

 ――(ファン向けに)詰碁を解くコツを教えてください。
 「相手の手をちゃんと考えることです。例えば、黒番の問題でも、一手打った次の瞬間に白番の問題になります。都合の良い図を考えがちですが、意識して相手の立場で考えないと、中々正解に辿りつけません。『相手はこちらの意図を避けようとする』、この部分を考える癖が大切です


テーマ図「ガツガツ稼ぐ手抜き戦法」

 白1と迫られても、黒2など大場へ走る余裕があります。白からの追及をどのように受けるべきか、右下の黒が見た目以上に強いことを証明していきます。

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