第42期女流本因坊戦五番勝負③・棋譜解説
10月21日に「第42期女流本因坊戦五番勝負」の第3局(主催・共同通信社など)が香川県坂出市「坂出グランドホテル」で行われた。上野梨紗二段が僅かなリードを堅守し、タイトル奪取まで残り1勝となった。藤沢里菜女流本因坊は巻き返しを図れるか。第4局は11月7日に東京都市ヶ谷「日本棋院東京本院」で行われる。(第3局のタイムラインはこちら)
第1譜(1―50)「ノゾキの意図」
白10、12と左下の黒に迫られた後、黒13から27で実利と厚みのワカレに収束するのが現代定石の1つ。
序盤のハイライトは「黒35のノゾキ」。実戦は白36から38とかわされるも、黒A以下と動き出す狙いを残しながら、黒39の好点に走って黒悪くない展開に。序盤の焦点は、左上の攻防に移行した。
〈参考図1〉白1とツガれた場合、黒2以下と上辺を補強するのが一例。後に、Aの薄さを狙えるのが黒の自慢。
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