一力挑戦者、終盤で逆転 【天元戦五番勝負第2局・棋譜解説】
防衛に弾みをつける好局かと思われた終盤戦、思わぬドラマが待ち受けていた。若きタイトルホルダー・関航太郎天元に一力遼棋聖が挑戦する第49期天元戦挑戦手合五番勝負(新聞三社連合主催)第2局が10月16日、札幌市「ホテルエミシア札幌」で行われた。序盤から関天元が少しずつポイントを重ねて勝利が見えてきたかと思われたが、終盤で勝負を決めに行った手から局面は紛糾。一力挑戦者の逆転勝利となった。これでシリーズは1勝1敗となった。
【一力遼棋聖】 じわりじわりと押し込まれながら最後にチャンスをつかんで逆転に成功。「序盤から内容的には良くなかったが、とりあえずひとつ勝つことができた」とホッとした表情を浮かべていた。
【関航太郎天元】 中盤過ぎまではしっかりと局面をコントロール。優勢をがっちりとキープしていたが…。「途中まではある程度、思い描いていた通りの展開。ですが終盤で乱れてしまいました」と後悔の様子。
今回は新聞解説の張豊猷九段、立会の秋山次郎九段、現地大盤解説の孫喆七段らの意見をもとに天元戦第2局を振り返ろう。
〈第49期天元戦五番勝負・第2局〉
黒 関航太郎天元 白 一力遼棋聖
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〈第1譜〉1―33 「31手まで研究済み!?」
第1局と手番が入れ替わって関の先番。やや珍しい黒21打ち込みから31までの分かれは前例のある格好。「このあたり関天元は研究済みだったのでしょうか。形勢は互角でしょうね」と張九段。
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