第48期新人王戦決勝三番勝負②【タイムライン(更新20:30)】
姚智騰六段と上野愛咲美女流名人が争う「第48期新人王戦決勝三番勝負」(主催・しんぶん赤旗)は上野先勝を受け、第2局が9月22日、日本棋院東京本院で行われました。結果は17時29分、238手までで上野の白番中押し勝ちに。史上初、女性の新人王が誕生しました。時系列で対局の模様や分岐点の局面など、タイムラインでお届けします。
第48期新人王戦決勝三番勝負第2局
黒番:姚智騰六段、白番:上野愛咲美女流名人
持ち時間:各3時間、残り5分より秒読み
主催 :しんぶん赤旗、日本棋院、関西棋院
立会 :加藤充志九段
記録 :池本遼太三段、近藤登志希二段
幽玄の間解説:外柳是聞五段
YouTube解説 :白石勇一七段
優勝賞金:200万円
第1局:9月13日 △上野 中押し 姚
第2局:9月22日 上野 中押し △姚
※左側が勝者、△は先番
10:00 対局開始
上野愛咲美女流名人が先に入室。しばらくして姚智騰六段が入室。10時になると、立会の加藤充志九段から対局開始の合図が告げられました。第2局は姚の先番。黒は二連星、白は小目と星の立ち上がりとなりました。続いて黒は左下隅ダイレクト三々へ。
10:47 工夫のコスミ
〈実戦図〉上野の白1は工夫の一手。黒は打ち方が悩ましく少考。この後、4手進みました。
11:45 消費時間は物語る
〈実戦図〉白が1とノビたところで昼食休憩となりました。ここまでの消費時間は、黒1時間36分、白9分と大差。「上辺で好形を得た白が不満なしの進行に見えます」と立会の加藤九段、ネット解説の外柳是聞五段。
12:30 対局再開
対局再開の合図と同時に、姚六段(右)が37手目を打ちました。
〈実戦図〉予想外の一手、黒1が放たれました。
13:00 中継始まる
日本棋院囲碁チャンネルで白石勇一七段による映像解説が始まりました。
ネット対局「幽玄の間」解説の外柳是聞五段(右)と一緒にスタート!
15:15 競り合い
〈実戦図〉黒が右上白一団に迫り、白はしっかり受け、力をためました。攻防は右辺に移ります。黒が頑張り、だいぶ盛り返してきたと思われましたが「黒1からの構想が疑問だったかもしれません」と加藤九段。
15:40 白、一気に優勢
〈実戦図〉白は中央を突破。黒は1とヒラいて上辺黒を治まりにいきますが、白は2と眼を奪います。
〈実戦図〉上辺黒は1で何とか生きとなりました。
〈実戦図〉白は1、3とこちらに先行。白優勢です。
16:20 変化
〈実戦図〉中央から右辺にかけ黒1まで、お互いの石を取り合う派手なフリカワリがおきました。
〈実戦図〉白は1と隅を生きにいきました。黒は2と厳しく攻めます。ここの生死は?
16:50 またも変化
〈実戦図〉白は1の手筋を放ちました。ここから、またも大きな変化に。外柳五段は本局を振り返って、「素晴らしい一手でした。形が決まってゴールが近づきました」とコメントした。
〈実戦図〉白は1と中央を助け、黒は2と隅を取ることに。左上へ移り、白3オサエに黒は4で応じます。
〈実戦図〉白1切りまで進みました。「白の勝ちがはっきりしてきました」と外柳五段。
17:30 決め手
〈実戦図〉白1は狙いを持った手。白3から5のサガリで手が生じました。
〈実戦図〉白1をみて、姚は無念の投了。
消費時間:黒2時間59分、白2時間50分
238手完、白中押し勝ち
上野・談「同じ道場の関くん(関航太郎天元)、広瀬くん(優一七段)が新人王を取っているので、私もと思っていました。一昨年、決勝まで行き、チャンスがあったのですが、負けてしまい、悔しい気持ちでした。今日、勝てて、うれしく思います。女性初ということも、うれしく思います」
【局後ショート動画】
(上は上野コメント、下は姚コメント)
【データ】女性棋士の棋戦準優勝以上(男女混合棋戦)
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