上野、笑顔で3連覇【第11期会津中央病院・女流立葵杯挑戦手合三番勝負第2局】
6月16日に「第11期会津中央病院・女流立葵杯」(協賛・一般財団法人温知会)挑戦手合三番勝負第2局が、福島県会津若松市「今昔亭」で行われた。上野愛咲美女流立葵杯が向井千瑛六段に勝利し、2連勝で3連覇を達成した。
上野女流立葵杯インタビュー
――3連覇おめでとうございます。まずは率直な感想を教えてください。
「まさか3連覇できるとは思っていなかったので、本当に驚いていますし、嬉しいです」
――今期の三番勝負を振り返って、いかがでしたか?
「相手が向井千瑛さんということで、パワーにびびっていたんですが、(向井さんのパワーを)警戒しつつ自分が攻める展開に持っていけたので、満足のいく内容で打てました」
――第2局、黒1のツケをノータイム(1分以内)に打たれました。検討陣では、驚きの声が上がりました。
「第一感は黒aでしたが、局面を見ている内に自分の中で(黒1が)急上昇してきて『やってみようかな』と思って打ちました。ひらめきですね」
――85手目を打った時は、本気で取りにいったのか、それとも厳しく攻めて得をする気持ちでしたか?
「ほぼ取りにいってたんですけど、途中で『無理だ』と思って諦めました」
――上野さんのパワーは棋士の中でも恐れられる、あるいは意表を突かれる攻め筋とよく聞きにします。
「自分の中では、大体普通だと思っていた手が結構驚かれるので、『へー!逆に変なの!?』という感じですね」
――直近では世界戦の黄竜士杯(6月20日~27日)が始まります。抱負を教えてください。
「連続で対局するのは久しぶりなので、体力が少し心配ですが、強い先生方と打てますし、中でも里菜先生(藤沢女流本因坊)と打てるのが特に楽しみです」
――体力面が心配ということでしたが、朝のルーティンである縄跳び777回以外で何かしていることはありますか?
「(手合前でも後でも)泊まる場所にジムがあれば、利用することはありますね」
――将来的に、どんな棋士になりたいですか?
「今のスタイル(戦う棋風)をあまり崩さず、研究会などで強い先生方とワイワイしながら強くなれたら良いなと思っています」
第1譜(1―22)「シチョウの攻防」
白8の三々入りに、黒9から17を厚くするのが定石手順の1つ。実戦は白18と黒19の交換を決めた後、白20と左下を守る進行を選択。当然、黒21と制されるが、白Aを横目に白22と右上の黒に働きかけるのが白の意図。
参考図1(簡明なワカレ)
白1の切りが簡明。黒2と外側を補強される代わりに、白3と連打できるので、互角に近い進行となる。
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