井山、快心勝利!【大和ハウス杯第62期十段戦五番勝負第4局・棋譜解説】
「大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負」(主催:産経新聞社、特別協賛:大和ハウス工業株式会社)第4局が、4月15日(月)に大阪府大阪市北区の日本棋院関西総本部「無量」の間で行われた。
十段位の初防衛がかかる芝野虎丸十段に対し「打ちたい手を打つ」戦闘スタイルを貫いた井山裕太王座。184手完、白番中押し勝ちをおさめ戦績は2勝2敗。決着は第5局に持ち越された。
本局では、どのような戦いがくり広げられたのか。検討陣棋士たちの感想をもとに振り返る。(記・柳田朋哉)
〈大和ハウス杯 第62期十段戦五番勝負・第4局〉
黒 芝野虎丸十段 白 井山裕太王座
持ち時間:各3時間、残り5分から秒読み
棋譜再生はこちら
〈第1譜〉1―29 「打ちたい手を」
白28はAのシチョウアタリも兼ねている。実戦は黒29とがんばった。最近は1図、黒1と素直に取るのは石の働きがあまり良くないという評価らしい。
「黒29は珍しい手。研究していないと怖くて打てない」と佐田篤史七段。Aの逃げ出しをシチョウで解決できないので、右上周辺はかなり気味の悪い形のようだ。
ここから先は
2,271字
/
19画像
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!