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2023年度N/S高生 卒業生 囲碁タイトル獲得&プロ合格祝賀会

囲碁と学業を両立

 学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校(通称N高)・S高等学校(通称S高)は、インターネットと通信制高校の制度を活用したネットの高校。自分の生活スタイルに合わせて、好きな時間に好きな場所でオンライン授業を受けることができる。その魅力に引かれてN高、S高に入学した棋士、院生、アマ囲碁愛好家は多い。
 関航太郎天元と上野愛咲美女流名人は、N高の卒業生。広瀬優一七段、竹下凌矢二段も同様。女流本因坊戦五番勝負に挑む上野梨紗二段は2年生だ。
 2022年度に入段した河原裕初段も在校生(3年生)である。少しさかのぼり現在まで追うと、21年夏季(22年採用)で日野勝太、22年に小西理章、23年は重川明司の各現初段3名がプロ入りした。そして23年夏季(24年採用)で関涼介さんが入段を決めた。
 アマでは、小室杏花さん(S高)が今年の高校選手権女子個人戦で優勝、宇津泉美さん(S高)が同ベスト16入りしている。
 9月10日、囲碁で活躍する在校生、卒業生を称える「2023年度N/S高生 卒業生 囲碁タイトル獲得&プロ合格祝賀会」が東京都港区の「品川プリンスホテル」で開かれた。

囲碁部員、プロみんなで記念対局

 主催者あいさつから始まり、乾杯すると、関と上野が大盤で自身の一局を解説した。関天元はNHK杯初優勝を決めた決勝の碁(対一力遼NHK杯)を、上野女流名人は史上二人目の女流棋戦グランドスラム達成となった女流名人戦第2局の碁(対藤沢里菜女流名人)を、それぞれ選択。師匠であり、囲碁部特別顧問の藤澤一就八段とともに振り返った。
 メイン企画は、「チーム関」と「チーム上野」の記念対局だ。前者は、関、囲碁部員の宇津さん、なこなしさんの3人でチームを組み、後者は上野、河原、囲碁部員の碩谷湧さんによる3名編成。
 関、上野がトップバッターとして対戦。10手(一人5手)着手したら宇津さんと河原にバトンタッチ。同じく10手進んだら、なこなしさんと碩谷さんへ。母校の卒業生と在校生、プロとアマがいっしょに碁を打つ姿はほほえましい。舞台横では、司会の戸島花さんが聞き手となり、藤沢八段が解説。
 時間の関係で100手までで打ち掛けに。結果はAI判定で、先番・関チームの勝ちとなった。
 関は「メンバーが頼もしかった」「黒の名局だと思う」とコメント。囲碁部員のなこなしさんは「プロといっしょに打てて、うれしく思います」と感想を述べた。
 会を締めたのはこの二人。花束贈呈を受け、以下のように謝辞を述べた。
 上野「私が初タイトルを取ったのは高1のときでした。好きなときに勉強できるN高は私に合っていました。これからも一つ一つ全力で頑張ります」
 関「アジア大会の団体戦に出場します。ここで結果を出すことが囲碁界の発展になると思います」

主催の角川ドワンゴ学園理事・川上量生氏。「在校生・卒業生の活躍を称えたい」とあいさつ
NHK杯決勝(一力NHK杯を破り、初優勝)の勝負どころを大盤で解説する関天元
女流名人戦第2局を振り返る上野女流名人㊨。中央は師匠の藤澤八段。左は司会進行の戸島さん
関チーム(右3名)と上野チーム(左3名)による記念対局開始
関チームの宇津さん(対局者右)は河原初段と対戦
上野チームの碩谷さん(対局者左)は級位者とは思えない打ちぶりだった
関チームのなこなしさん(対局者右)はアマ六段の実力を存分に発揮
結果は関チームの勝ちに

〈記念対局〉
黒 関チーム(①関航太郎天元②宇津泉美アマ③なこなしアマ)
白 上野チーム(①上野愛咲美女流名人②河原裕初段③碩谷湧アマ)

①と①が対戦。10手(一人5手)打ったら②と②に交代。同様に10手で③に交代。これを繰り返す

100手・打ち掛け、AI判定で黒勝ち

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