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藤沢、パンチ決める【第72回NHK杯】

 藤沢里菜女流本因坊(25)は10年連続10回目、小山空也六段(27)は4年ぶり2回目の出場。女流トップと若手の対決は、藤沢が中盤の競り合いでパンチを決め、リード。小山は得意のヨセに入り、粘り強く追い上げたが、藤沢が僅差で逃げ切った。解説は寺山怜六段。


〈第72回NHK杯1回戦・第13局〉
黒 藤沢里菜女流本因坊 白 小山空也六段

藤沢(左)と小山

※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。

〈第1譜〉1―30

 ともに囲碁一家に育った三代目棋士である。対戦は6度あり、小山の4勝2敗。「藤沢さんは上野(愛咲美女流名人)さんと並ぶ、女流のツートップ。力戦派でなく、計算と地の碁。上野さんとは対照的です。小山さんは冷静な棋風で、形勢判断が明るい。性格は温厚で、若手のまとめ役的な存在です」と寺山六段。
 白16まで、典型的なAI(人工知能)流の立ち上がり。早くも前例は見当たらない。黒17のツケもAIが大いに好む。黒25までで一段落した。「黒25では1図、1のマゲから手厚く決めるのもあります。人間的には大きな地を与えて、怖いですか」。
 白26と右上を割る。ジックリの黒29に白30とボウシにかぶせ、右辺から競り合いが始まる。「黒29では2図、1のトビもあります。ただ、白2のツケが悩ましい。白6までは、利かされで黒がちょっとつらい。3図、黒3の反発も、一例ですが、白が打てます」。

1図
2図
3図

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