第10回碁界の礎百人―碁界最大のスポンサー【大倉喜七郎】
この欄は棋士だけにスポットライトを当てるわけではない。碁界の発展に尽くした政財界人、囲碁ジャーナリスト、アマチュア棋士など多くの人材があったのを忘れてはならない。その中からまず大倉喜七郎を紹介しよう。
大倉喜七郎(1882―1963)は、父・喜八郎が興した大倉財閥(傘下に帝国ホテル、帝国劇場、大成建設の前身の大倉土木、東海パルプ、サッポロビールなど多数)を引き継いだだけでなく、特筆すべきは文化や芸術への貢献である。横山大観ら日本画家を全面支援、東京シンフォニー管弦楽団の結成、オペラ歌手・藤原義江らへの支援……。そして大正13年(1924)日本棋院創立時の経済面での多大な援助である。大正14年12月、東京市麴町区永田町に完成した日本棋院会館も、大倉の資金援助の賜物だった。
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