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【現代碁の最前線】星のツケ二段定石の積極策【沼舘沙輝哉七段②】

 前回に続き、星のツケ二段定石で現れる「敵陣突破の積極策」を沼舘沙輝哉七段の解説でお送りします。今回は自陣を大きく広げられる局面でどのような定石を選ぶべきかを見ていきます。双方の細かな攻防で全く異なる仕上がり図になるので、研究量で差をつけられるはずです!

「一本の利かしで姿が変わる」と沼舘七段

沼舘七段インタビュー
 ――普段の勉強方法を教えてください。
 「僕はほとんどAIですね。ほぼ9割ぐらい。AIで布石を研究したりとか、対局することもあります。見る棋譜もAIが多いですが、去年ぐらいからヨセを意識するようになりました」

 ――ヨセはどのように勉強されるんですか?
 「対局や棋譜を見た時に自分なりに考えて、それからAIで調べてどれくらい違うかなど。(ヨセ段階では)打つ手がそんなにないところでも、簡単に損するので。プロとアマで一番差がつきやすいところだと思います」

 ――ヨセ意識していることは? 
 「プロ目線では、逆ヨセの判断が難しいですね。目安も基準も作れないことが理由だと思うんです。例えば、後手10目の手と逆ヨセ5目の手は大体同じと言われますが、局面次第で簡単に評価が変わってしまいます。(ヨセで)プロが間違える時は、逆ヨセ関連が絡んだ場合が多いと思います。ヨセがうまい人だと、逆ヨセをあえて打たないで誘う人もいますからね」

 ――アマチュアのファンに向けて、ヨセのアドバイスをお願いします。
 「意識すると良いかなと思うことは『相手が打った手に受け続けないこと』。後は『有名なヨセの大きさは把握すること』。例えば、1線のハネツギは2目など、基本的なものだけでも知ると良いかもしれません。具体的な勉強方法としては、僕の兄弟子である寺山先生(怜六段)が書いたヨセの本(『ヨセの教科書基礎編応用編』)を繰り返し解いて、ヨセを少しずつ好きになること。(ヨセの大きさの)数字ばかり出されても、嫌になっちゃいますよね。問題を通して、トレーニングすることがオススメです」

沼舘七段のオススメ本『ヨセの教科書基礎編、応用編』(著・寺山怜六段)

テーマ図「模様型のツケ二段」

 黒1から9と敵陣を分断するのが現代定石の1つ。「右下に黒石がある場合も、この定石は相性が良いんですよ」と沼舘七段。どんな構想を用意しているか、早速見ていきます。

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