富士田、積極策で快勝【第72回NHK杯】
山下敬吾九段は(46)は27年連続27回目、富士田明彦七段(33)は6年連続6回目の出場。ともに北海道出身の同郷対決は、富士田が序盤の競り合いで優位に立ち、そのまま押し切った。解説は蘇耀国九段。
〈第72回NHK杯3回戦・第7局〉
黒 山下敬吾九段 白 富士田明彦七段
※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。
〈第1譜〉1―17
対戦は8度あり、山下の6勝2敗。昨期も3回戦で対戦しており、山下が圧勝した。「山下さんは攻めっけが強く、豪快。富士田さんは渋い碁で、手厚い。対照的な棋風」と蘇九段。
NHK杯で山下は毎局、立ち上がりに工夫を見せる。今回は左上、黒5。小ゲイマ外ガカリとも言えようか。蘇九段は「早々と面白い。当然、調べて打ったはず。AI(人工知能)の数値もそんなに落ちません」と喜んだ。
富士田もやってくれる。白6とお返しの変則カカリである。「普通に受けるなら1図、白1のケイマ。黒6まで、昔の定石に戻ります。2図、白1のツケもあります。黒8まで、互角のワカレ」。
黒7は相手に何もさせないという受け。左上白8のハサミに黒9、11も工夫の対応。「黒9で3図、1なら、黒9まで古い定石。黒17まで新型誕生です」。
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