第48期新人王戦決勝三番勝負①【タイムライン(更新18:10)】
9月13日に「第48期新人王戦決勝三番勝負」の第1局(主催・しんぶん赤旗)が日本棋院東京本院で行われました。時系列で対局の模様や分岐点の局面など、タイムラインでお届けします。
10:00 対局開始
ニギリの結果、黒番は上野愛咲美女流名人、白番は姚智騰六段となった。序盤は現代的な定石で打ち進めています。
10:23 意表突くツケ
〈実戦図〉黒番の上野が、黒1のツケで下辺の整形を目指す。早くも大きな分岐点となった。
10:56 上辺の攻防が焦点
〈実戦図〉白番の姚が、白1のツケで上辺のサバキを目指した局面。AIの勝率は黒90%以上に急上昇。
11:30 黒が戦いのペース握る
ネット対局「幽玄の間」解説は安達七段が務めます。中盤の局面(61手目地点)について「上辺の白がサカレ形なので、第一感は黒の方が打ちやすそうです」と安達七段。
11:45 昼食休憩
68手目まで進み、11時45分から12時30分まで昼休憩に入りました。AIの勝率は黒70%であり、上野が戦いの主導権を握っています。
12:30 対局再開
12時25分頃に姚が先に入室。すぐ盤面に目を向けて臨戦態勢に。対局再開時、黒番の上野が69手目を着手、姚が長考に沈んでいます。消費時間は、黒番が29分、白番が1時間5分(11時45分地点)です。
13:00 Youtubeの解説開始
Youtube「日本棋院囲碁チャンネル」で安藤和繁五段の解説が始まりました。安藤五段は「おバブちゃんねる」でも活動しています。
14:00 難解なコウ争い
〈実戦図〉黒1と上辺を助け出した局面。白Aと抜くのは、黒Bなど上辺の白を攻められて心許ない格好。「(右上の味残りを利用して)上辺の白を取られないようにして、Aの抜きに回れるかが焦点」と立会の張豊猷九段。
白はうまく立ち回る必要があり「どちらかと言えば、白の方が難しい」と張九段。一気に形勢が傾いてもおかしくない戦況。
15:15 黒が我慢!再び形勢互角に
〈実戦図〉白1とハネられた後、上野は手が止まる。「右上の黒陣がダメヅマリで受け方が悩ましいです」と立会の張九段。
約28分の長考の末、上野は黒2と我慢する進行を選択。「Aのコウ材が使いやすくなり、左上のコウ争いは白が勝てそうです」と張九段。黒はどこでフリカワリになるのか、注目です。
〈参考図1〉黒2とコウ争いを解消するのは、白3以下で黒ツブレ。右上は手抜きできない形です。
16:30 「黒優勢だけど・・・」
〈実戦図〉AIは黒の勝率が80%以上と評価するも、「勝ち切るのは容易ではありません」と張九段。AやBと左上の黒に迫る狙いがある上に、CやDの大ヨセもあり、ヨセの手順が難しい局面。以下に、白の狙い筋をいくつか抜粋して紹介します。
〈参考図2〉黒1と大場に走るなら、白2以下と左辺を占めながら、白A以下の切断を狙えるのが白の自慢。
〈参考図3〉かと言って、黒1と手堅く受けるなら、白2以下と右上を荒らす手段が狙われます。後手を引くものの、右上の白が生きます。
〈参考図4〉黒1のツギで右上を取り切るのは好点。ただ、白2以下と左下に手をつけられるのも気になるところ。続いて、黒aは白bと左方の黒2子を取る要領です。
17:36 上野先勝
上野が初戦を制し、本棋戦女性初の優勝まで残り1勝に迫った。消費時間は上野(黒)2時間52分、姚(白)2時間59分。245手完、黒中押し勝ち。
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