石の呼吸②【小目の二間バサミ定石】
このコーナーは最新形の活用や主流の打ち方を紹介します。前回のテーマに続き、小目の二間バサミ定石の解析です。今回は最強手段で追及した難解形を見ていきます。
テーマ図「スベリの最強手段」
黒1、3と形を決めた後、黒5と左下の白の根拠を奪うのが最強手段。ただし、黒も薄い形となるため、非常に難しい変化へ突入します。
定石手順(難解な現代定石)
白1の二間バサミに、黒2から8と左下の白を押さえ込むのが流行形。互いに薄い形で戦うため、読みの力が求められる碁形です。
1図(安全確保がカギ)
白1と左下の進出を止められた後、黒2から4と安全を確かめます。
白5、7と受けられた場合、黒8で弾力ある形になるため、本進行は黒良しのワカレに収束します。
白9と眼を奪われても、黒10から16と左辺の安全を確かめるのが堅実。白はaの断点が残っているので――、
白17には、黒18と下辺の安全を図ります。当然、白19と生きを図られますが、黒20から22と受けて問題ありません。白23の手入れを強要し、黒24の好点を占めて黒が打てる形勢です。
2図(守りの呼吸)
白1と追及された場合、黒2から4と守るのが好手。白5と封鎖されてしまいますが――、
黒6から10と左下の白の眼を奪って黒良しへ収束します。白11と抵抗するなら、黒12から14と手数を増やした後、黒16で仕留められます。
3図(別案の有力策)
黒1と白2を交換した後、黒3以下でaとbを見て安全を図るのも有力。
白8と追及された場合、黒9から11と支えるのがポイント。白12のオキが気になる手段ですが――、
黒13、15と形を決めた後、黒17のハネが好手。白18には、黒19以下と左辺の生きを確かめられるので、黒有利な戦いへ導けます。
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