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これぞ名人芸! 芝野、完勝 第2局棋譜解説【第3回テイケイグループ杯俊英戦決勝三番勝負】

 「芝野さんの打ち回しが素晴らしかったですね。関さんに『ミス』や『敗着』といえるようなものはなかったのですけれど、それでも芝野さんがしっかりと局面をリードして勝ち切りました。いやあ、芝野さんは十段戦や世界戦での敗戦が続いていて、『芝野さんとしては調子が良くないのかな』と思っていましたが、そのうっぷんをここで存分に晴らした格好でしたね」(放送解説・鶴山淳志八段)
 芝野虎丸名人関航太郎九段による第3回テイケイグループ杯俊英戦(協賛・テイケイ株式会社ほかテイケイグループ各社)決勝三番勝負第2局(第1局は芝野勝利)が5月4日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われた。結果は芝野の完勝、つけ入るスキを見せぬ横綱相撲でがっちり寄り切った。ささいなことから流れをつかみ、わずかなリードを着実に広げる手腕はまさに名人芸だった。
 本局は解説・鶴山八段、聞き手に木部夏生三段を迎えて「囲碁・将棋チャンネル」およびYoutube「囲碁将棋プラス」で中継された。
 今回は両者の検討と、鶴山八段の解説をもとに本局を振り返ろう。
(記・関根新吾)

 芝野「第1局から空いた1ヵ月間、大きな対局で全部負けてしまったので、(俊英戦で)勝ちたい気持ちが強くなっていました」

 関「序盤で形勢を損じて、そこから打ちにくくしてしまいました」

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