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囲碁の本質に迫る、手割りの考え方【横塚力七段インタビュー】

 今回は石の効率を上げる『手割りの考え方』を横塚力七段にインタビュー。「便利な考え方ですし、石の効率を考える習慣が棋力向上にも繋がります」と横塚七段。具体的な方法や意外な注意点など、話題盛りだくさんでお届けします。

横塚力七段のプロフィール
 平成6年(1994年)11月22日生。東京都出身。小松英樹九段門下。平成27年入段、令和元年七段。日本棋院東京本院所属。
【主要な実績】
2015年:
第25期竜星戦本戦入り
2016年:第41期新人王戦本戦入り、第26期竜星戦本戦入り
2018年:第43期新人王戦本戦入り、第13回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2019年:第44期新人王戦本戦入り、第75期本因坊戦リーグ入り(七段へ昇段)
2020年:第45期新人王戦ベスト4、第46期天元戦本戦入り、第68回NHK杯テレビ囲碁トーナメント出場
2021年:第47期天元戦本戦入り、第69回NHK杯テレビ囲碁トーナメント出場、第31期竜星戦本戦入り
2022年:第48期天元戦本戦入り、第47期棋聖戦Cリーグ、第48期天元戦本戦本戦出場
2023年:第48期棋聖戦Cリーグ、第32期竜星戦決勝トーナメント進出、第18回広島アルミ杯・若鯉戦本戦入り
2024年:第49期棋聖戦Bリーグ、第50期天元戦本戦入り、第72回NHK杯テレビ囲碁トーナメント出場、第33期竜星戦本戦入り、第31期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦本戦入り


石の効率を検証

今年の11月に「手割りの新刊」を出した横塚七段

 ――手割りとは何か、教えてください。
 「手割りは形勢判断をする時に使うものです。例えば、地は数えれば判断できますが、厚みは分かりづらいですよね。20、30目の価値がある場合もあれば、0目と判断される場合もあります。手割りは『どれぐらい石の効率が良いのか』を理論的に判断する考え方なので、判断がつきづらい未知の局面であるほど活きてきます」

 ――囲碁は陣地を競うゲーム。石の効率を上げることが勝利に近づくのでしょうか?
 「『陣地の多い方が勝つ』より『効率の良い方が勝つ』ことを重視した方が良いかもしれません。石の効率が上がれば、自然に地も増えやすくなり、結果的に多くの陣地を得られるからです」

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