
芝野、磐石の収束【大和ハウス杯第62期十段戦五番勝負第3局・棋譜解説】
4月4日に「大和ハウス杯第62期十段戦五番勝負」(主催・産経新聞社)の第3局が、長野県大町市「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で行われ、芝野虎丸十段が中盤のリードを守り切り、井山裕太王座に勝利した。ポイントとなった局面を中心に、本局を振り返っていく。
大和ハウス杯第62期十段戦五番勝負・第3局
黒:井山裕太王座 白:芝野虎丸十段
結果:240手完、白中押し勝ち
消費時間:黒2時間58分、白2時間58分
主催:産経新聞社
特別協賛:大和ハウス工業株式会社
賞金:700万円
持ち時間:各3時間、5分前より1分の秒読み
立会:馬場滋九段
記録:鶴田和志六段、西岡正織四段
新聞・大盤解説:伊田篤史九段
聞き手:羽根彩夏二段
YouTube・ネット解説:河野臨九段
※YouTube中継はこちら
第1局:芝野十段、白中押し勝ち
第2局:井山王座、白中押し勝ち
第3局:芝野十段、白中押し勝ち
第4局:4月15日(月)
大阪府大阪市北区「日本棋院関西総本部」
第5局:4月30日(火)
東京都千代田区「日本棋院東京本院」
第1譜(1―39)「戦端開く」

黒23と白24を交換した後、黒25と下辺の白陣を割ったのが井山の工夫。実戦は白26と下辺を守られたため、黒27以下と左下の白を追及しながら、Aの打ち込みを狙う態勢となった。
参考図1(シチョウアタリ)

白1、3と左下を守ろうとした瞬間、黒4以下でaとbを見合いにするのが黒の意図。白は効果的に左下を守るのが難しい局面となっている。

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