伊田、隙逃さず抜き去る【第72回NHK杯】
依田紀基九段(58)は2年ぶり37回目、伊田篤史九段(30)は11年連続11回目の出場。ベテランとそろそろ中堅の域に入る実力者同士の対戦は、伊田が依田の楽観を突き、快勝した。解説は松本武久八段。
〈第72回NHK杯2回戦・第14局〉
白 依田紀基九段 黒 伊田篤史九段
※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。
〈第1譜〉1―32
対戦は4度あり、伊田の3勝1敗。「依田さんは構想力が素晴らしく、手厚い。AI(人工知能)流が登場してからも、進化しています。伊田さんは基本、力戦家。ただ、最近は戦わずして、勝つ碁も多い」と松本八段。
立ち上がり、黒13とすぐに、白の足元をすくい、様子を見たのが面白い。「研究済みでしょうね」。「エッ」という表情の依田。白14と様子を見返した。
黒15で1図、1のツギも考えられます。白2以下ワタらせ、不満なし」。
黒15の受けには、白16の切りから18のサガリが肝要。「2図、白1とすぐに逃げると、黒2とされ、困ります。先手で黒10に回られ、甘い」。
黒19とコスみ、白20に黒25まで2子の取りを許した。「これも想定済みでしょう。黒19で3図、1の抜きは白2のツメが好手。黒3から利かしても白12まで受け、満足」。
白32とカケツぎ、一段落。「斬新なワカレ。五分だと思います」。
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