第71期王座戦五番勝負第5局・棋譜解説
12月8日に「第71期王座戦五番勝負第5局」(主催・日本経済新聞社)が、神奈川県秦野市「陣屋」で行われた。井山裕太王座が挑戦者の余正麒八段を下して3連覇(通算9期)。本局は林漢傑八段の解説でお届けする。(対局の模様はこちら)
第1譜(1―57)「手厚さ重視」
黒5から11と左辺に大きく展開するのに対し、白12と黒陣を割るのはよく現れる序盤の呼吸。黒13から17と左辺の白へ迫り「どれだけ攻めを繋げられるか」を考えるが通常の発想。実戦は黒25、27と自陣を固める進行を選択。
「本局は手厚く打つ方針かもしれません」と林八段。中盤以降もその傾向が見られたことからも、余の作戦だったかもしれない。
〈参考図1〉黒1と分断を目指すのは、白2のツケでaとbを見られて、左辺の白を厳しく攻めるのは難しい戦況だ。
ここから先は
1,735字
/
21画像
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!