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第71期王座戦五番勝負第5局・棋譜解説

 12月8日に「第71期王座戦五番勝負第5局」(主催・日本経済新聞社)が、神奈川県秦野市「陣屋」で行われた。井山裕太王座が挑戦者の余正麒八段を下して3連覇(通算9期)。本局は林漢傑八段の解説でお届けする。(対局の模様はこちら

現地でYouTubeと幽玄の間解説を務めた林八段

第71期王座戦五番勝負・第5局
黒番:余正麒八段 白番:井山裕太王座
消費時間:黒2時間59分、白2時間58分
結果  :258手完、白中押し勝ち
主催  :日本経済新聞社
賞金  :1400万円
対局会場:神奈川県秦野市「陣屋」
立会  :高尾紳路九段
記録  :大西研也五段五藤眞奈初段
新聞解説:鶴山淳志八段
「幽玄の間」解説、YouTube解説林漢傑八段
持ち時間:各3時間、5分前より秒読み
第1局:10月20日 井山王座、白中押し勝ち
第2局:10月27日 余八段、白中押し勝ち
第3局:11月14日 余八段、黒中押し勝ち
第4局:11月30日 井山王座、白中押し勝ち
第5局:12月8日 井山王座、白中押し勝ち
井山王座が3勝2敗で防衛
※棋譜再生はこちら


第1譜(1―57)「手厚さ重視」

 黒5から11と左辺に大きく展開するのに対し、白12と黒陣を割るのはよく現れる序盤の呼吸。黒13から17と左辺の白へ迫り「どれだけ攻めを繋げられるか」を考えるが通常の発想。実戦は黒25、27と自陣を固める進行を選択。
 「本局は手厚く打つ方針かもしれません」と林八段。中盤以降もその傾向が見られたことからも、余の作戦だったかもしれない。

参考図1

〈参考図1〉黒1と分断を目指すのは、白2のツケでaとbを見られて、左辺の白を厳しく攻めるのは難しい戦況だ。

フルセットの最終局、対局開始時の風景

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