芝野、空中戦でパンチ炸裂【第72回NHK杯】
芝野虎丸名人(24)は9年連続9回目、小池芳弘七段(26)は6年連続6回目の出場。日本棋院東京本院所属同士の若手対決は、芝野が中盤の読み比べで、強烈パンチを決め、小池をKOした。解説は金秀俊九段。
〈第72回NHK杯2回戦・第3局〉
黒 芝野虎丸名人 白 小池芳弘七段
※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。
〈第1譜〉1―28
昨期準優勝の芝野はシードで2回戦からの登場。これまでの対戦は芝野の4勝1敗。「芝野さんは、読みが強く、大石が取れると判断すると迷わず取りにいく豪快な棋風。小池さんは、着実に力をつけてきた印象。からい実利派ですが、厚い碁も打てる。ポイントを重ね、微差で勝ち切るタイプです」と金九段。
二連星から、黒5の一間シマリが少々珍しい。白6のダイレクト三々から黒9のケイマに対し、白10は一つの岐路。簡明に打つなら白12、黒14としてから白10だ。実戦はこれを決めなかったため、黒11、13の抵抗を呼んだ。
「黒は11で1図、簡明に黒1、3の進行もありますが、白a、黒bの交換がない分、白が勝るということです」。プロならではの繊細な考え方である。
黒19まで、何とも難しい進行。白20のハネに対し、2図、黒1のハネ返しなら、さらに難解な変化になったろう。「一歩間違えれば、互いにツブレかねない攻防となります」。
黒21とツげば、白22のサガリから28までは定型の一つ。「若干、白がよいというのが一般的な評価。ただ、攻めが強い芝野さんには、少しの不利はあまり気にならないのでしょう」。
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