このコーナーは最新形の活用や主流の打ち方を紹介します。今回は小目の大ゲイマジマリの攻防で現れる「ツケの新常識」。実戦でよく打たれる定石が、少しずつ進化を遂げているので知識を更新しておきたいところ。

テーマ図「進化する現代定石」

　白１と黒２を交換した後、白３と整形するのが定石手順。以前まで、黒Ａの抜きが無難と見られていたが、黒４の受け方が注目されています。黒はどんな意図があり、白はどう対処すべきなのか、見ていきます。

定石手順（主流の上ハネ型）

　白１のツケに、シチョウ関係なく、黒２と受ける実戦例が増えています。白３以下で白が苦しい姿に見えますが――、

　白７から11と整形するのがサバキの手筋。黒12と受けざるを得ず、白13以下と形を決めた後に、黒ａかｂで仕上がりの図が大きく変わります。

参考図１（以前までの定石）

　黒１が今までの受け方。白２以下と封鎖されて一段落。右上が固まる長所がある反面、白にａの好点やｂの様子見からシチョウを負担を軽減する手段を見られて、白の楽しみが残る短所があります。

参考図２（傷を軽減できる）

　例えば、白２から10と形を決めるのが一例。黒ａと逃げ出す威力を下げられるのが白の自慢。