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日本のホープの強さと課題【福岡航太朗五段インタビュー】

 次代の日本碁界を担う大器・福岡航太朗五段に、6月に行われた中国丙級リーグや、国際棋戦と国内棋戦の違い、さらには普段の勉強法や自らの課題について、率直に語ってもらった。(記・関根新吾)

福岡航太郎五段のプロフィール
 平成17年(2005年)12月22日生。東京都出身。洪清泉四段門下。平成31年入段、令和6年五段。日本棋院東京本院所属。

【主な戦績】
2021年:第46期新人王戦本戦入り、第46期棋聖戦Cリーグ入り、第31期竜星戦本戦入り、第47期碁聖戦本戦入り
2022年:第47期新人王戦本戦入り、第70回NHK杯テレビ囲碁トーナメント出場、第47期棋聖戦Cリーグ入り、第32期竜星戦本戦入り、第2回テイケイ杯俊英戦本戦入り
2023年:第48期新人王戦本戦ベスト4、第71回NHK杯テレビ囲碁トーナメント出場、第48期棋聖戦Cリーグ入り、第30期阿含・桐山杯全日本早碁オープン戦本戦入り、第33期竜星戦本戦入り
2024年:第49期碁聖戦ベスト4、第49期新人王戦本戦入り、第72回NHK杯テレビ囲碁トーナメント出場、第49期棋聖戦Cリーグ入り


7戦全勝で昇格

チーム成績7勝0敗で勝ち抜いた日本棋士4名(詳細はこちら

 ――まずは5月31日から6月7日にかけて中国浙江省で行われた中国丙級リーグについてうかがいます。日本チーム(芝野虎丸九段、広瀬優一七段、酒井佑規五段、福岡五段)は7戦全勝で乙級への昇格を決めました。

 福岡五段「僕と広瀬くんが2年連続の丙級参加でしたね。今回はチームメンバーの年代が近いこともあって、気楽な感じで過ごせました。虎丸先生が声をかけて、みなで打ったばかりの碁の検討をしたり、わいわい和やかに検討していましたね。それでひと通り調べて『それではみなさん、明日も頑張りましょう』と。虎丸先生が先頭に立ってチームをまとめてくれて、それがありがたかったですね」

対局会場の全景

 ――写真で見るかぎりですが、会場がとにかく広いですね。
 「丙級だけで30数チームありますし、同じ部屋で女子の乙級リーグも行われていました。選手だけでなく、コーチや関係者も出入りしていますので、常時200人くらいはひとつの会場にいる感じです」

 ――それはすごい。日本ではなかなか見られない規模の対局ですね。
 「丙級リーグは中国の国内ではとても大きい棋戦です。ほかの棋戦は(国家チームに呼ばれるような)上位の棋士が参加することが多いのですが、中国の有名ではない若手が唯一参加できる棋戦なんですね」

個人成績で7戦全勝を飾った福岡五段

 ――たしかに対戦表のメンバーを見てみると、見たこともなかった棋士ばかりですね。
 「イメージとして甲級リーグには有望な若手がいて、乙級には中堅棋士であるとか、次に強くなりそうな若手棋士がいて、丙級ではあまり知られていない選手が出てくる、という感じです。丙級といってもどの選手をみても強いですよ。丙級で好成績をあげれば、乙級など上のチームにスカウトされるということもあるみたいですからね」

 ――サッカーのJ2で得点王になれば、J1のチームから引き抜かれる、みたいな感じですね。それならみな必死で打つわけだ。
 「虎丸先生は今回7戦全勝でしたが、その虎丸先生クラスの棋士でも全局完勝というわけにはいかない。苦戦させられることもあったようです。僕自身はかなり危なかった。第1戦は半目勝負でしたし、第6戦はほとんど負けのところからの逆転でしたし」

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