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石の呼吸①【小目の二間バサミ定石】

 このコーナーは現代手法の活用を中心に紹介します。内容は上級者~高段者です。発想の幅を広げる一助になれば幸いです。


テーマ図「簡明目指す3手の守り」

 小目の二間バサミ定石で現れる戦型です。黒1以下で互いに薄い形で戦い続ける難解形の1つ。今回は可能な限り簡明に受け切る「3手の守り方」を紹介します。

定石手順(現代の戦い方)

 白1の二間バサミに、黒2とケイマガケするのが主流の一手。白3か5と切断した瞬間、黒6以下と押さえ込むのが現代の戦い方です。


1図(脱出できない理由)

 黒1と脱出を図るのは、白2から4と受けられてaとbを見られて黒ツライ進行です。

2図(白十分な戦果)

 例えば、黒1と断点を守るのは、白2と下辺の黒を飲み込まれて黒不満。

3図(捨て石作戦)

 かと言って、黒1と下辺を守るのは、白2と外側を厚くされます。黒3以下で左下の白の根拠を奪われますが――、

 白8から14と下辺を封鎖して問題ありません。黒15などの手入れは省けず、白16から18と外回りを厚くして白悪くないワカレです。


4図(3手の簡明戦法)

 そこで、黒1と白2を交換した後、黒3とコスミで守るのが好手順。左下の白を補強する必要がありますが――、

 白4と受けるなら、黒5以下と部分的な生きを確かめて黒成功。後に、aやbの狙いを見られるのが黒の長所です。

5図(軽快な石運び)

 白1と受けられた場合、黒2から4と左辺に転身して黒好調。

6図(相場のワカレ)

 以上より、白1と受けるのが無難。黒2以下と左辺の安全を確かめて一段落。黒はaやbを狙うと同時に、cの保険を残せているのが強みです。

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