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第42期女流本因坊戦五番勝負①【タイムライン(19:00更新)】

 10月12日に「第42期女流本因坊戦五番勝負」の第1局(主催・岩手日報社、共同通信社など)が岩手県花巻市「佳松園」で開幕した。4連覇を目指す藤沢里菜女流本因坊と、初めての番勝負に臨む上野梨紗二段のシリーズ。どんな展開になるのか、タイムラインで現地情報と共にお届けする。(詳細な棋譜解説は後日掲載)

第42期女流本因坊五番勝負第1局
黒番:上野梨紗二段、白番:藤沢里菜女流本因坊
持ち時間:各4時間、残り5分より秒読み
主催  :岩手日報社、共同新聞社、日本棋院
協賛  :JA共済連、共栄火災
特別協賛:三八五流通
協力  :花巻温泉佳松園、IBC岩手放送、関西棋院
対局会場:岩手県花巻市「佳松園」
立会  :吉原由香里六段
記録  :外柳是聞五段加藤優希初段
YouTube解説:鶴山淳志八段
幽玄の間解説:三谷哲也八段
優勝賞金:550万円
第1局:10月12日 岩手県花巻市「佳松園」
第2局:10月16日 鳥取県湯梨浜町「望湖楼」
第3局:10月21日 香川県坂出市「坂出グランドホテル」
第4局:11月7日 東京都市ヶ谷「日本棋院東京本院」
第5局:11月15日 東京都市ヶ谷「日本棋院東京本院」
※左側が勝者、△は先番



9:00 対局開始

挑戦者の上野梨紗二段(左)が初手を打ち下ろす

 ニギリの結果、黒番は上野梨紗二段、白番は藤沢里菜女流本因坊となった。藤沢が流行りの向かい小目の構えを選択し、上野が左上の攻防から戦線を広げています。

ニギリの結果(黒石が1個、白石が19個)

9:30 Youtube解説が開始

鶴山淳志八段と吉原由香里六段のYoutube解説風景

 Youtube中継・解説が開始しました。鶴山淳志八段を中心に吉原由香里立会など、現地の棋士達が出演予定なので、こちらよりご覧ください!


10:00 コウ争いで急戦⁉

〈実戦図〉黒1の切りに、白2から6とコウ争いを横目に大場へ走る進行を選択。左上の白を無条件で取り切るのが難しく、白が打ちやすい局面のようだ。

「(コウ争いが始まった地点で)判断は難しいが、若干白持ち」と外柳五段

10:10 流行形の仕掛け

〈実戦図〉黒1以下と仕掛けるのが流行形の1つ。黒Aのアテで形を崩せる長所がある一方、状況次第では右下の黒を捨てる判断が必要であり、難しい判断が要求される進行だ。

10:30 上野が約1時間消費

スケールの大きい構想で打開を図る

 10時30分地点で消費時間は黒番56分、白番34分となった。苦しい局面を打開すべく、大胆な構想で中盤戦に臨む。

〈実戦図〉黒1から7と上辺の白に焦点を絞る構想を選択。右下の黒が取られる可能性もあり、上野の攻めで大きな戦果を得られるかがポイント。


11:30 気合の応酬

立会の吉原由香里六段は「好みが分かれそう」

 休憩の数分前でも互いに手が進む展開に。検討室では「(昼休憩を)気にせず手が進むね」という声が出ています。

〈実戦図〉黒1以下と互いに反発し合う展開に。「地が好きな人は白、攻めが好きな人は黒。棋風によって好みが分かれそう」と吉原立会。黒は左辺と上辺の白を攻める一方、左上の黒も弱いため、善悪の判断が難しいという。


12:00 際しい局面で昼休憩

藤沢里菜女流本因坊の昼食「ホロホロ鳥の親子丼」
上野梨紗二段の昼食「天ぷらうどん」

 昼休憩時の消費時間は、黒が1時間45分、白が1時間15分。AIの勝率はほぼ互角となり、難解な攻防へ発展しています。

12:40 対局再開

藤沢女流本因坊は全体的な薄さをカバーできるか

 藤沢は25勝15敗(今年の成績)で直近5連勝を決めて、調子は右肩上がり。6月の呉清源杯で世界4強入り、韓国女子リーグで活躍するなど、国内外で大活躍。

上野二段の攻めで突破口を切り開けるか

 上野は36勝12敗(今年の成績)で直近10連勝中。毎年、着実に成績をあげて挑戦者へ上り詰めた実力者。初の番勝負の場でも、堂々の打ち回しで互角以上の戦いを繰り広げている。


14:00 攻めの選択

〈実戦図〉黒1と中央の白全体を攻める進行を選択。黒Aと白3子を制すのが相場と見られただけに、検討室では驚きの声があがった。

〈参考図〉白の狙いは、白1から3と3子を助け出す進行。左辺の黒が薄くなるため、黒は容易ではない局面となる。


15:00 大盤解説会が開催

吉原六段(右)が解説、大梶さんが聞き手

 4年ぶりに本棋戦で大盤解説会が行われた。吉原由香里六段が解説を務め、聞き手は盛岡第一高校2年生の大梶華子さんが担当した。大梶さんは第47回高校選手権女子団体全国大会に主将で出場し、7位入賞を果たした実力者。「考えるのが楽しい」と囲碁の魅力を語った。

15:10 上野梨紗、反撃開始

〈実戦図〉白1と形を決めた瞬間、黒2が狙いすました一撃。「闇試合の模様」と語る鶴山八段。上野は右下の攻防で勝負の流れを変えつつある。

〈参考図〉白1と受けるのは、黒2以下とコウ争いへ発展。黒も右下に匹敵するコウ材を探すのが難しく、正しく打つのが難しいようだ。


17:37 上野先勝

挑戦者の上野が幸先良いスタートを切った

 上野が終盤のリードを守り切り、209手完、黒中押し勝ちを収めた。第2局は10月16日に鳥取県湯梨浜町「望湖楼」で行われる。

上野インタビュー

終局後の検討風景

 ――1局を振り返っていかがでしたか?
 上野「序盤で遅れて形勢を悪くしました。優勢を意識したのは最後です。運よく勝てました」

 ――勝負のキーポイントになったツケは、何時ごろからみてましたか?
 「序盤から狙っていて、タイミングを見計らっていました」

 ――第2局の抱負をお願いします。
 「楽しんで打っていきたいです」

藤沢インタビュー

藤沢はリードを守り切れず

 ――1局を振り返っていかがでしたか?
 「序盤から前例のない形でも、足早に打てたと思います。ただ、読みが雑だったところがありました。ツケ切りも途中で気づいたので…」

 ――勝負の分かれ目になったツケ切りについて
 「ツケ切られた瞬間は、まだ難しい勝負と思っていました。ただ、右上隅をコスミで守られて大変な形勢になってしまったので、もっと前に良い手があったのかなと思いました」

次戦でどう修正するのか注目だ

 ――2局目への抱負をお願いします。
 「次戦がすぐにあるので、切り替えて精一杯打ちたいです」


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