第42期女流本因坊戦五番勝負①【タイムライン(19:00更新)】
10月12日に「第42期女流本因坊戦五番勝負」の第1局(主催・岩手日報社、共同通信社など)が岩手県花巻市「佳松園」で開幕した。4連覇を目指す藤沢里菜女流本因坊と、初めての番勝負に臨む上野梨紗二段のシリーズ。どんな展開になるのか、タイムラインで現地情報と共にお届けする。(詳細な棋譜解説は後日掲載)
9:00 対局開始
ニギリの結果、黒番は上野梨紗二段、白番は藤沢里菜女流本因坊となった。藤沢が流行りの向かい小目の構えを選択し、上野が左上の攻防から戦線を広げています。
9:30 Youtube解説が開始
Youtube中継・解説が開始しました。鶴山淳志八段を中心に吉原由香里立会など、現地の棋士達が出演予定なので、こちらよりご覧ください!
10:00 コウ争いで急戦⁉
〈実戦図〉黒1の切りに、白2から6とコウ争いを横目に大場へ走る進行を選択。左上の白を無条件で取り切るのが難しく、白が打ちやすい局面のようだ。
10:10 流行形の仕掛け
〈実戦図〉黒1以下と仕掛けるのが流行形の1つ。黒Aのアテで形を崩せる長所がある一方、状況次第では右下の黒を捨てる判断が必要であり、難しい判断が要求される進行だ。
10:30 上野が約1時間消費
10時30分地点で消費時間は黒番56分、白番34分となった。苦しい局面を打開すべく、大胆な構想で中盤戦に臨む。
〈実戦図〉黒1から7と上辺の白に焦点を絞る構想を選択。右下の黒が取られる可能性もあり、上野の攻めで大きな戦果を得られるかがポイント。
11:30 気合の応酬
休憩の数分前でも互いに手が進む展開に。検討室では「(昼休憩を)気にせず手が進むね」という声が出ています。
〈実戦図〉黒1以下と互いに反発し合う展開に。「地が好きな人は白、攻めが好きな人は黒。棋風によって好みが分かれそう」と吉原立会。黒は左辺と上辺の白を攻める一方、左上の黒も弱いため、善悪の判断が難しいという。
12:00 際しい局面で昼休憩
昼休憩時の消費時間は、黒が1時間45分、白が1時間15分。AIの勝率はほぼ互角となり、難解な攻防へ発展しています。
12:40 対局再開
藤沢は25勝15敗(今年の成績)で直近5連勝を決めて、調子は右肩上がり。6月の呉清源杯で世界4強入り、韓国女子リーグで活躍するなど、国内外で大活躍。
上野は36勝12敗(今年の成績)で直近10連勝中。毎年、着実に成績をあげて挑戦者へ上り詰めた実力者。初の番勝負の場でも、堂々の打ち回しで互角以上の戦いを繰り広げている。
14:00 攻めの選択
〈実戦図〉黒1と中央の白全体を攻める進行を選択。黒Aと白3子を制すのが相場と見られただけに、検討室では驚きの声があがった。
〈参考図〉白の狙いは、白1から3と3子を助け出す進行。左辺の黒が薄くなるため、黒は容易ではない局面となる。
15:00 大盤解説会が開催
4年ぶりに本棋戦で大盤解説会が行われた。吉原由香里六段が解説を務め、聞き手は盛岡第一高校2年生の大梶華子さんが担当した。大梶さんは第47回高校選手権女子団体全国大会に主将で出場し、7位入賞を果たした実力者。「考えるのが楽しい」と囲碁の魅力を語った。
15:10 上野梨紗、反撃開始
〈実戦図〉白1と形を決めた瞬間、黒2が狙いすました一撃。「闇試合の模様」と語る鶴山八段。上野は右下の攻防で勝負の流れを変えつつある。
〈参考図〉白1と受けるのは、黒2以下とコウ争いへ発展。黒も右下に匹敵するコウ材を探すのが難しく、正しく打つのが難しいようだ。
17:37 上野先勝
上野が終盤のリードを守り切り、209手完、黒中押し勝ちを収めた。第2局は10月16日に鳥取県湯梨浜町「望湖楼」で行われる。
上野インタビュー
――1局を振り返っていかがでしたか?
上野「序盤で遅れて形勢を悪くしました。優勢を意識したのは最後です。運よく勝てました」
――勝負のキーポイントになったツケは、何時ごろからみてましたか?
「序盤から狙っていて、タイミングを見計らっていました」
――第2局の抱負をお願いします。
「楽しんで打っていきたいです」
藤沢インタビュー
――1局を振り返っていかがでしたか?
「序盤から前例のない形でも、足早に打てたと思います。ただ、読みが雑だったところがありました。ツケ切りも途中で気づいたので…」
――勝負の分かれ目になったツケ切りについて
「ツケ切られた瞬間は、まだ難しい勝負と思っていました。ただ、右上隅をコスミで守られて大変な形勢になってしまったので、もっと前に良い手があったのかなと思いました」
――2局目への抱負をお願いします。
「次戦がすぐにあるので、切り替えて精一杯打ちたいです」
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