名人戦が変わった! 予選システム変更とは?
いま第48期名人戦挑戦手合七番勝負の真っ最中であるが、すでに来期の挑戦権争いは始まっている。
第49期名人戦には総勢449名の棋士が参加し、その第一歩である予選Cが1月12日にスタートした。
さらに5月から7月にかけて行われた次のステージである予選Bを経て、予選Aへ進出したのは48名の棋士だ。その48名のうち女性2名が勝ち残った。藤沢里菜女流本因坊と上野愛咲美女流名人の二人である。
少しさかのぼって、今期(48期)の変更点を確認しておこう。
第47期までは予選Aで1回勝てば次期も予選Aにシードされた。しかし第48期からは最終予選に進出しないと予選Aにシードされないシステムになった。これは今期(48期)の大きな変更点だった。
それでは来期(第49期)に話を戻そう。
前述のとおり、今期(48期)の最終予選で敗れた者(21名)が、来期(49期)の予選Aにシードされる決まりになっているので、その21名を含めた48名で予選Aを打ち、予選A突破の12名とリーグ陥落者4名が最終予選(16名)を経て来期名人への挑戦権を競いあう。
予選Aで2回勝てば最終予選へ進むことができる。
まず、予選Aの1回戦が7月27日から8月30日にかけて全24局が打たれた。ここで藤沢女流本因坊が敗れたが、上野女流名人は予選A決勝へ勝ち進んだ。
① 予選方式に新たなシステム導入
興味深いのは「予選A決勝」だ。
東京本院の所属棋士と、関西総本部・中部総本部・関西棋院の所属棋士とで、「東西対局」をすることになったからである。
次のステージである最終予選を目指す「予選A決勝・東西対局」。スタートとなる5局が、9月14日に東京本院と中部総本部で打たれた。
「東西対局」は東3:西2となった。
「予選A決勝・東西対局」は9月28日には12枠が出揃う。
東京勢と名古屋・大阪勢の対抗戦は、はたしてどのような結果になるのか注目だ。
② リーグ入りの枠拡大
規定によると、「前期挑戦者決定戦陥落者4名、タイトルホルダー(棋聖、本因坊、王座、天元、碁聖、十段)および予選A勝者12名を合わせた出場者からトーナメント方式で上位4名を選出する」と記されている。
予選を勝ち抜いて「挑戦者決定戦」(リーグのこと)入りできる枠が従来の3枠から4枠に増えた。
予選A決勝の勝者(12名)と前期リーグから陥落した張栩九段、志田達哉八段、富士田明彦七段、佐田篤史七段と七大タイトルホルダーの関航太郎天元(5名)をあわせた17名が、4枠に拡大されたリーグ入りを目指して最終予選を争う。
挑戦者決定戦は陥落も4名になり残留争いも熾烈だが、リーグ入りできる枠が増えたことによりチャンスが広がったといえよう。
長く険しい名人挑戦への道のりに二つのシステム変更があった。予選A決勝・東西対抗やリーグ入りをかけた最終予選にも注目をすれば、さらに名人戦を楽しむことができる。
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!