第90回碁界の礎百人―小林覚、趙治勲棋聖を破って頂点に【趙治勲⑩小林覚①】
棋聖戦の連覇記録といえば、藤沢秀行の第1期からの6連覇、小林光一の第10期から17期の8連覇が目につく。その小林の連覇記録にストップをかけたのが趙治勲だった。そして趙は平成7年(1995)、小林覚を挑戦者に迎える。小林は小林でも、光一ではない覚である。新鮮な顔合わせに碁界は沸いた。
挑戦者を決める最高棋士決定戦トーナメントが始まるとき、競輪場で小林覚に会った藤沢秀行は「棋聖を取れ」と励ましたという。これに力づけられたのか、小林は難関を突破して挑戦者に。
七番勝負は波乱がいっぱいだった。第2局は趙の見損じがあって、1日で終わってしまった。第3局は小林の好局だったが、見損じが致命傷になり逆転負け。しかし小林は1勝2敗から3連勝して、打倒趙を果たした。ここでは最終局の第6局を紹介しよう。
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