第20回碁界の礎百人―老雄雁金の奮戦【雁金準一 呉清源⑤】
木谷實―呉清源の鎌倉十番碁が終わったあと、呉の次の相手として白羽の矢が立ったのは雁金準一(1879―1959)だった。昭和16年(1941)当時、雁金は八段(昭和8年に棋正社から八段を与えられた)、呉は七段。しかし対等な立場、つまり互先で打ってもいいと雁金が語ったのを、渡りに船とばかりに読売新聞社が乗ったのである。なおこの年、雁金は弟子たちとともに棋正社を脱退し、瓊韻(けいいん)社を組織した。雁金62歳、呉27歳。雁金は院社対抗戦以後久しぶりのひのき舞台だった。
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