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第61回碁界の礎百人―〝激闘の七番勝負〟林が大逆転【林海峰⑦石田芳夫④】

 昭和40年代の後半、石田芳夫は林海峰を押しのけ、碁界の頂上に立とうとしていた。本因坊戦では46年に林を破ると、47年、48年は林の挑戦を退けて3連覇。そして48年、林名人への挑戦者に躍り出た。同年の本因坊戦はストレートで林を退けているだけに、石田有利との前評判だった。名人戦の全7局を記しておこう。
・第1局 石田、白番ジゴ勝ち
・第2局 石田、黒番5目勝ち
・第3局 石田、白番2目勝ち
・第4局 林、白番ジゴ勝ち
・第5局 林、黒番中押し勝ち
・第6局 林、白番ジゴ勝ち
・第7局 林、白番中押し勝ち
 石田が3連勝したときは誰もが名人交代を疑わなかった。しかし林の反撃能力はおそろしい。第4局をジゴでしのぐと、あっという間に最終局まで勝ち続け、大逆転をやってのける。全7局のうち、ジゴが3局あり、いかに接近した七番勝負だったかが分かる。

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