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藤沢、手筋一閃で連勝 第2局棋譜解説【第43期女流本因坊戦五番勝負】

 藤沢里菜女流本因坊に牛栄子四段が挑戦する第43期女流本因坊戦(主催・共同通信社、協賛・JA共済連共栄火災)挑戦手合五番勝負第2局が10月20日、秋田県能代市「旧料亭 金勇」で行われた。
 藤沢女流本因坊が序盤から戦いの主導権を握り、中盤で手筋一閃。大きなシッポをもぎ取って優勢を築いた。そのリードを譲らず鮮やかに快勝し、防衛へあと一歩に迫った。挑戦者の牛四段としては不本意な結末となったが、第3局以降の反撃に期待したいところ。
 本局の立会人に二十四世本因坊秀芳、記録係は辻華三段と茂呂有紗二段、新聞解説・映像解説は高尾紳路九段、現地大盤解説は後藤俊午九段、ネット対局『幽玄の間』解説は三谷哲也八段。
(記・関根新吾)

前夜祭。地元の学生から花束を受け取り、記念撮影
対局場は本因坊戦、女流本因坊戦でお馴染みの舞台、「旧料亭 金勇」

〈第43期女流本因坊戦五番勝負・第2局〉
 藤沢里菜女流本因坊 白 牛栄子四段 

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〈第1譜〉1―38 「足早な牛、手厚い藤沢」

 第1局と手番は入れ替わって藤沢の先番。
 牛の白14カドが目を引くところ。序盤から積極的だ。「珍しい手ですね、たとえば白14で16くらいに近づいておき、タイミングを見て白14というのは見たことあるのですが」と高尾九段。「牛四段は序盤からどんどん先に進みたいタイプなのですよね。たとえば黒17に白Aかと思いましたが、白18まで進めている。そして黒19に手を抜いて白20シマリなのですね」
 一方の藤沢は落ち着いたもの。黒21トビから27、29と右下白へのヨリツキをにらんでじっくりと打ち進めている。

2階、110畳の大広間で対局

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