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2023年韓国囲碁界10大ニュース

 2023年も終わりに近づいています。今年も多くの方々から囲碁界に対するご理解と熱いサポートをいただき、心より感謝申し上げます。来る2024年も皆様にとって希望と幸福に満ちた年でありますように心より願っております。
 韓国棋院が選定した2023年囲碁界10大ニュースは以下の通りです。順位は特につけられていません。
(報道資料および写真提供:韓国棋院)


■ 杭州アジア大会 男子団体戦で金メダルを含む3つのメダル獲得

 韓国囲碁代表が2010年広州アジア大会以来13年ぶりに出場した杭州アジア大会において、金メダル1個、銀メダル1個、銅メダル1個を含む計3つのメダルを獲得した。
 申眞諝(シン・ジンソ)九段が男子個人戦で銅メダルを獲得。
 男子団体戦【申眞諝九段、朴廷桓(パク・ジョンファン)九段、卞相壹(ピョン・サンイル)九段、申旻埈(シン・ミンジュン)九段、金明訓(キム・ミョンフン)九段、李志賢(イ・ジヒョン)九段】で金メダルを獲得。
 女子団体戦【崔精(チェ・ジョン)九段、呉侑珍(オ・ユジン)九段、金彩瑛(キム・チェヨン)七段、金恩持(キム・ウンジ)九段】で銀メダルを獲得。
 全ての出場選手がメダルの主人公となり、輝かしい瞬間を迎えた。


■申眞諝、応氏杯で初優勝

応氏杯初優勝

 申眞諝九段が「囲碁オリンピック」とも称される第9回応氏杯で初優勝した。申眞諝九段は中国の謝科九段との決勝三番勝負において2-0で完封勝利し、応氏杯の優勝回数を5回に伸ばした。
 これにより、韓国は申眞諝九段の優勝によって2大会決勝敗退(第7回と第8回)の後、2009年(崔哲瀚九段優勝)以来14年ぶりに優勝カップを取り戻した。


■申眞諝、初の年間100勝を達成し最多勝記録樹立

  48か月連続でランキング1位を維持し続け、孤高の第一人者として君臨している申眞諝九段が、韓国囲碁界史上初めてとなる年間100勝を突破し、最多勝記録を更新した。
 11月3日のSG杯韓国新聞名人戦で、申眞諝九段は金恩持九段に勝利して100勝目を達成し、今年全体で111勝15敗(2023年12月25日現在)を記録し、最多勝記録を競い合った。
 これまでの最多勝記録は金恩持九段の94勝(46敗、67.14%)であった。


■ 韓国、農心辛ラーメン杯で3連覇

 李昌鎬(イ・チャンホ)九段に続き、新たな「農心杯 守護神」として申眞諝九段が中国の辜梓豪九段を破り、3年連続で韓国に辛ラーメン杯の優勝をもたらした。韓国は22回大会から3回連続優勝を果たし、辛ラーメン杯の通算優勝回数は15回になった。
 一方、中国は8回、日本は1回の優勝を記録している。優勝した韓国の選手たちにはトロフィーと5億ウォンの賞金が授与された。


■ KIXX(キックス)、16年ぶりに囲碁リーグ制覇

 申眞諝九段率いるキックスが2022-2023 KB国民銀行囲碁リーグでチャンピオンに輝いた。
 レギュラーシーズンでは爛柯リーグ3位でプレーオフに進出したキックスはチャンピオン決定戦で正官庄に2-0で完封勝利し、2006年以来2度目の優勝を果たした。
 KB国民銀行囲碁リーグは、シーズン中に囲碁ファンと共に行った汝矣島(ヨイド)・梨花(イファ)・議政府(ウィジョンブイ)などの開催がファンから大きな支持を得た。23-24シーズンからは外国人選手制度を導入し、新しい見どころを予告した。


■ 金恩持、崔精のライバルとして急成長

 金恩持九段が、崔精九段の10年にわたる牙城を崩すライバルとして急速に成長した。
 第7回女子棋聖戦の決勝で崔精九段を破り、優勝した金恩持は九段に昇段し、最年少かつ最短期間での昇段を果たした。
 また、新人囲碁最強戦で優勝し、女性棋士として初めて混合の新人棋戦優勝を達成した。さらに、蘭雪軒杯優勝、IBK企業銀行杯・女子最高棋士決定戦での準優勝など、爆発的な成長を遂げた。

≪昇段についての補足情報≫
 11月12日に江原道江陵アリーナで行われた第3回全国女子囲碁大会で金恩持七段が2連覇し、韓国棋院の昇段規定により八段に昇段した。

11月12日、金恩持七段(左)が金彩瑛八段に勝って2連覇、八段に昇段

 さらに、12月19日、韓国棋院囲碁TVスタジオで行われた第7回女子棋聖戦決勝三番勝負の第3局で金恩持八段は崔精九段に完勝し、タイトル獲得に成功した。韓国棋院の規定により九段に昇段した。
 2020年1月10日に入段した金恩持八段(2007年5月27日生まれ)は、従来の韓友賑(ハン・ウジン)九段の最短期間九段昇段記録より6ヵ月早い3年11ヵ月という最短期間での入神(韓国で九段になることの別称)記録を樹立した。 また、17歳11ヵ月で入神した朴廷桓(パク・ジョンファン)九段より17ヵ月早い16歳6ヵ月で九段に昇段し、最年少記録を樹立した。

12月19日、女子棋聖戦で崔精九段に勝ち九段に。入段から最短期間・最年少での九段昇段

■ 韓国の新鋭棋士たちの台頭

グロービス杯で優勝した韓友賑

 2023年は新鋭の棋士たちが躍進した年だった。韓友賑(ハン・ウジン)、朴只玹(パク・ジヒョン)などが注目され、将来有望な才能を見せた。


■ スミレ、韓国棋院の客員棋士として移籍

(撮影:棋道web)

 日本の「天才囲碁少女」仲邑菫三段が、2024年3月から韓国棋院の客員棋士として活動することになった。これは、韓国で開催される囲碁イベントへの自由な参加を目的としたものであり、韓国棋院は10月26日の理事会でスミレ三段の客員棋士申請を最終的に承認した。


■ 杭州アジアパラゲームスで金メダル2個を獲得し、総合1位

 杭州アジアパラゲームスで初めて正式競技として囲碁が採用され、韓国囲碁代表選手団が金メダル2個と銅メダル1個を獲得し、初参加ながら総合1位に輝いた。
 男子個人戦で金メダル(キム・ドンハン)と銅メダル(イム・ヨンシク)を獲得し、続く男子団体戦(キム・ドンハン、イム・ヨンシク、チョン・インスン)でも金メダルを獲得した。


■ パンデミックからの回復とともに

 新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより、日常生活が回復する中で、世界の囲碁大会はすべて対面の対局に移行した。
 韓国主催の主要な大会であるLG杯、三星火災杯、農心辛ラーメン杯、国手山脈杯などはもちろん、中国と日本の主催棋戦(大会)も、現在は対面対局が行われている。
 また、中断されていた国内外の各種囲碁大会も積極的に開催されている。


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