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夏冰さん、初のアマ名人に!【第18期朝日アマ名人戦三番勝負】

 7月6、7日に行われた「第18回朝日アマ名人戦全国大会」(主催・朝日新聞社、日本棋院)で優勝し、昨年に続いて挑戦権を得た夏冰(か・ひょう)さんが大関稔アマ名人に挑む「第18期朝日アマ名人戦三番勝負」が7月27、28日の両日に日本棋院東京本院の「幽玄」の間で打たれた。絶対王者の大関アマ名人に夏冰さんが2勝1敗で勝って初のアマ名人位に就いた。
(記・内藤由起子)

※第18回朝日アマ名人戦全国大会の記事はこちら

 アマ大会で唯一、番勝負制を採用しているアマ名人戦。今期の三番勝負は、昨年と同じ顔合わせとなった。
 昨年の三番勝負は、夏さんが初戦に勝ったものの、第2、3局を大関さんが連勝し防衛を果たした。
 最強アマと呼ばれる大関稔アマ名人は現在4連覇中。今期防衛してアマ名人戦連覇記録を更新する5連覇を目指す。


第1局 「アマ名人の大関さんが先勝」

アマ名人を4連覇(通算5期)している大関稔さん。記録更新を目指し三番勝負に臨んだ

〈第18期朝日アマ名人戦三番勝負・第1局〉
黒 大関稔アマ名人  白 夏冰
223手完、黒番中押し勝ち

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白96(88) 白218(64) 黒219(104)

 立会人の片岡聡九段の合図で始まった。
 握って大関さんの黒番。長時間のプロの手合を彷彿させるスローペースで、1時間たっても50手も進まない。
 左辺でAI評価値が乱高下する激戦となったが、夏さんに錯覚もあって大関さんが抜けだし、そのままがっちり勝利をつかんだ。
 「早々に秒読みになって、一番難しいところで読み切れなかったのが悔やまれます。そこを逃しては一方的にやられました」と夏さん。
 まず1勝をあげた大関さんは、「自分らしい碁で、そんなに後悔がなかった。初戦で勝てたので、第2局は気楽に臨めます」と淡々と語っていた。


第2局 「1勝1敗のタイに」

2年連続で全国大会で優勝し、挑戦者として三番勝負に臨む夏冰さん

〈第18期朝日アマ名人戦三番勝負・第2局〉
白 大関稔アマ名人  黒 夏冰
239手完、黒番中押し勝ち

棋譜再生はこちら

白48(41) 白222(19)

 2日目の午前9時対局開始。
 あとのない夏さんは「開き直って自分の手を打つだけです」と臨んだ。
 右上で珍しい変化になった。黒カラい分かれで、黒が打ちやすい状況で進む。
 しかし左辺の戦いで夏さんが頑張りすぎて分断され、どれか死んでもおかしくないほどピンチになった。またもやAI評価値が乱高下するなかで大関さんの判断ミスもあって上辺の白地が割れ、黒はどれも死なず大逆転で勝ちをもぎとった。


第3局 「新アマ名人誕生」

第3局はニギリ直して夏さんの先番となった

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