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功労、活躍、門出を祝う【令和5年度合同表彰式】

 囲碁界の功労者、昨年活躍した棋士に表彰、来年度の入段者へ免状授与をする令和5年度合同表彰式が3月26日、日本棋院東京本院で行われた。

功労

【第53回大倉喜七郎賞】
 大倉喜七郎賞は日本棋院の生みの親といわれる大倉喜七郎氏の遺徳を称えて昭和39年に創設された。囲碁普及に功労があった者に贈られる。第53回はカマチグループ会長、創設者の蒲池眞澄氏が受賞した。
 蒲池氏は長年、福岡東支部の支部長を務め、囲碁普及に尽力。2019年には博多・カマチ杯を創設、2020年からは現在の女流名人戦をバックアップしてくださっている。

【第20回囲碁殿堂入り】
 3名が新たに殿堂入りした。
中村道碩(江戸時代の囲碁棋士。二人目の名人碁所)
牧野伸顕(政治家。イタリア公使、文相、農商務相、外相などを歴任。日本棋院初代総裁)
加藤正夫名誉王座(王座11期獲得など活躍。昭和後期から平成前期のレジェンド棋士)

大倉喜七郎賞を受賞した蒲池眞澄氏
日本棋院初代総裁牧野伸顕氏の玄孫、牧野奈央子さん

活躍

【第61回秀哉賞】
 秀哉賞は、二十一世本因坊秀哉名人の偉大な業績を永く記念するため、昭和38年に創設された。年間最優秀棋士に贈られる。第61回は一力遼棋聖が受賞。翌日、京都で第24期阿含・桐山杯早碁オープン戦日中決戦があるため、来場はできず、「大変光栄です」という喜びの声が代読された。

【第57回棋道賞】
 棋道賞は、『棋道』誌が主催となり昭和42年に創設された。『月刊碁ワールド誌』が継承。年間に活躍した棋士に各賞が贈られる。第57回最優秀棋士賞は、一力棋聖が秀哉賞とダブル受賞。他の受賞者は以下の通り。カッコ内は主な活躍もしくは年間成績。
最優秀棋士賞 一力 遼棋聖   (棋聖防衛、本因坊・天元奪取)
優秀棋士賞  芝野虎丸名人   (名人防衛、十段奪取)
新人賞       広瀬優一七段   (広島アルミ杯優勝)
女流賞       上野愛咲美女流名人(新人王戦優勝、女流名人奪取、女流立葵杯防衛)
国際賞       藤沢里菜女流本因坊(呉清源杯準優勝)
最多勝利賞     上野梨紗二段   (49勝)
勝率第1位賞  広瀬優一七段     (0.7647、39勝12敗)
連勝賞     志田達哉八段     (20連勝)
最多対局賞   藤沢里菜女流本因坊(69局)

月刊碁ワールド4月号に棋道賞の記事が掲載されています。

【昇段】
  
今年度は3月13日時点で43名が昇段を決めた。

棋道賞優秀棋士賞を受賞した芝野名人
棋道賞受賞者。左から芝野、広瀬、上野愛咲美、藤沢、上野梨紗、志田

門出

 令和6年度採用棋士として、7名が入段を決めた。
関  涼介(夏季採用院生研修総合成績1位)
柳井 一真(冬季採用試験1位)
陳  柏劭(冬季採用試験2位)
竹下 奈那(女流特別採用棋士推薦) 
笠原 悠暉(関西総本部採用試験1位)
志賀  司(中部総本部採用試験1位)
高山希々花(女流特別採用試験1位)

令和6年度入段者
関新初段。「少しずつ強くなれるよう毎日頑張ります」。左は二十四世本因坊秀芳
柳井新初段。「世界戦で勝てる棋士になりたい」
陳新初段。「タイトルを獲れるような棋士になりたい」
竹下新初段。「また、この場に立てるよう頑張りたい」
笠原新初段。「いい碁が打てるよう頑張りたい」
志賀新初段。「ひととして応援される棋士になりたい」
高山新初段。「感謝の気持ちを忘れないようにしたい」

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