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歴史の節目、盛大に祝う【日本棋院創立100周年記念式典・祝賀会】

 大正13年に誕生した日本棋院。昭和、平成、令和と四つの時代にわたり、棋道の継承と発展に取り組んできた。令和も6年となり、7月17日、節目の100周年に。この日、東京都港区の「ホテルオークラ東京」で日本棋院創立100周年記念式典・祝賀会(宝酒造株式会社協賛、株式会社囲碁将棋チャンネル協力)が開催された。

 第一部の式典には350名が来場。武宮陽光日本棋院新理事長のあいさつから始まり、特別感謝表彰、特別功労表彰が行われた。

日本棋院理事長に就任したばかりの武宮陽光六段があいさつ。右は七大棋戦主催社代表7名

 特別感謝表彰では、対象団体を代表して七大棋戦主催社各1名が登壇、村岡彰敏読売新聞東京本社代表取締役社長が表彰状を受け取った。村岡氏は、院社対抗戦、打込み十番碁、実力制となった本因坊戦など、囲碁界と新聞社の二人三脚の歴史を分かりやすく説明してくれた。

対象団体を代表して、特別感謝表彰を受ける読売新聞東京本社の村岡彰敏代表取締役社長
囲碁と新聞の歴史を分かりやすく説明する村岡代表取締役社長

 特別功労表彰は、代表して日本棋院三重県支部連合会会長の松本尚夫さんへ授与。松本さんからは、時代の変化による囲碁人気低迷に対する激励と回復策の提案をくださった。

代表して特別功労表彰を受ける日本棋院三重県支部連合会会長の松本尚夫氏
囲碁をこよなく愛する松本氏

 表彰が終わると、岸田文雄内閣総理大臣からのメッセージを囲碁文化振興議員連盟会長、柳本卓治議員が代読。滝裕子全日本囲碁連合会長からも祝辞が送られ、池坊雅史関西棋院理事長からもあいさつがあった。

岸田文雄内閣総理大臣からのメッセージを代読する囲碁文化振興議員連盟会長の柳本卓治議員
全日本囲碁連合会長の滝裕子氏
関西棋院の池坊雅史理事長

 海外から駆けつけた中国囲棋協会主席の常昊(じょうこう)九段、韓国棋院事務総長の梁宰豪(ヤン・ジェホ)九段、海峰棋院院長の林敏浩氏も登壇、常昊九段が「日本とは実力に差があった中国を日本が励ましてくれた」と思い出を語るなど、それぞれが歴史を振り返った。会場には一時代を築いた中国の聶衛平(じょうえいへい)九段、韓国の曺薫鉉(チョ・フンヒョン)九段の姿もあり、囲碁が世界を結ぶ懸け橋となってきたことが改めて証明された。最後は今井敬日本棋院総裁が締め、第二部の祝賀会へと移った。

中国囲棋協会の常昊主席
韓国棋院の梁宰豪事務総長
海峰棋院の林敏浩院長
今井敬日本棋院総裁

 祝賀会には450名が来場。まず、実行委員長の小林光一名誉棋聖があいさつし、阪急阪神ホールディングス代表取締役会長・グループCEOの角和夫氏、日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏、日本将棋連盟会長の羽生善治氏から祝辞をもらった。羽生氏は「囲碁界と将棋界は長い長いおつき合い、これからも末永いおつき合いを」と語った。

記念式典・祝賀会実行委員長の小林光一名誉棋聖
阪急阪神ホールディングス代表取締役会長・グループCEOの角和夫氏
日本サッカー協会相談役の川淵三郎氏
日本将棋連盟会長の羽生善治氏と井山裕太王座、国民栄誉賞を受賞した両氏のツーショット

 続いて棋士代表として井山裕太王座が、「100周年は、多くの先輩方のご努力と応援してくれたファンのおかげ。これからも受け継いできた伝統は大切に、時代の変化には柔軟な対応を」とあいさつ。そして朝日新聞社代表取締役会長の中村史郎氏の乾杯の発声で、歓談へ。その後は特別企画、日本女子囲碁リーグのオープニングセレモニーが行われた。

朝日新聞社の中村史郎代表取締役会長(左から3人目)が乾杯の発声をしてくださった

 「チームセンコーグループ」「チーム囲碁・将棋チャンネル」「チーム若鯉」「チーム福岡」「チーム名古屋」の順で5チームの監督と選手が順に登場、決めポーズから始まり、監督によるチーム分析、選手のひとことがあった。各チームのパフォーマンスに会場は大盛り上がりに。

チームセンコーグループ。決めポーズは「S」
左から監督の吉原由香里六段、上野愛咲美女流立葵杯、牛栄子四段、万波奈穂四段、井澤秋乃五段
チーム囲碁・将棋チャンネル。決めポーズは左二人が「碁石と将棋の駒」、真ん中が「C」、右二人が「H」
左から監督の鈴木伸二八段、藤沢里菜女流本因坊、星合志保四段、徐文燕二段、高山希々花初段
チーム若鯉。決めポーズは、最初はガッツポーズ、最後に下の写真、「てっぺん、取るぞ~」
左から監督の山本賢太郎六段、上野梨紗女流棋聖、奥田あや四段、鈴木歩七段、大森らん二段
チーム福岡。決めポーズは「ナンバーワン」
左から監督の鶴山淳志八段、謝依旻七段、栁原咲輝初段、向井千瑛六段、辻華三段
チーム名古屋。決めポーズは名古屋城の「金のしゃちほこ」
左から監督の下島陽平八段、加藤千笑三段、王景怡四段、高雄茉莉二段、羽根彩夏二段

 セレモニーが終わると、名残惜しい中、日本棋院顧問の二十四世本因坊秀芳によって中締めとされた。

左は二十四世本因坊秀芳。明るい未来の象徴として応氏杯で決勝進出した一力遼棋聖が呼ばれた

 なお、女子囲碁リーグのチーム紹介については、棋道web取材による詳細記事をアップしていくので、お楽しみに。

※日本棋院創立100周年の特設ページはこちら

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