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第13回碁界の礎百人―碁の普及に尽くしたドイツ人【F・デューバル 鳩山一郎】

 欧米人に碁を教えたのは明治10年代の村瀬秀甫までさかのぼる。数学と薬学の講師として東京帝国大学に招聘されたドイツ人のO・コルシェルト博士に熱心に教え、日本を離れるときは秀甫に六子で打てるまで上達したという。コルシェルトはドイツに帰ってから、碁の入門書を刊行する。この入門書で碁を学んだ一人が数学者で教育者のフェリックス・デューバル博士である。デューバルは昭和5年(1930)碁を学びに来日する。碁界をあげての大歓迎だった。滞在費用はすべて大倉喜七郎が負担し、鈴木為次郎、瀬越憲作、木谷實、呉清源らの指導を受け、一年後に帰国するときは初段の免状を与えられた。その後、ドイツ囲碁連盟を創立して普及に尽力。
 デューバルの名が一般に知られるようになったのは、昭和11年、衆議院議員の鳩山一郎との日独電報碁によってである。その棋譜は東京日日新聞に掲載され、大人気だったという。

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