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AI研究全盛期だからこそ『人間的な着想』が重要【藤井浩貴三段インタビュー】

 今回は多くの棋士から『AI研究で最先端を走り続けている』と定評のある藤井浩貴三段にインタビューをお願いした。「AI研究は大事ですが、対人戦を想定した人間的な発想、そして自分好みの打ちやすさを重視している」と語った。AI研究が全盛期の時代で何が大事であるか、振り返っていく。
(1月4、11、18日に講座「現代碁の最前線」を担当します)

藤井浩貴三段プロフィール
 平成14年(2002年)7月25日生。静岡県出身。藤澤一就八段門下。令和2年度入段(夏季採用)、6年三段。日本棋院東京本院所属。
※令和元年9月より対局。

【主な成績】
2019年3勝3敗、2020年9勝11敗、2021年10勝12敗、2022年13勝11敗、2023年19勝11敗、2024年22勝12敗(2024/12/12まで)
2024年:第49期新人王戦決勝進出、第19回広島アルミ・若鯉戦本戦出場


AI研究の強み

「序盤研究はトップクラス」と多くの棋士が評される藤井三段

 ――AI研究でどのような強みを持てますか?
 「序盤から知っている形で打てるので、安心感もありますし、精神的に良い影響へ繋がると思います。後は、部分的な戦いの手札も増えて、戦術の幅が広がる利点もあります」

 ――多くの手札がある中で、どのように決断を下しますか?
 「自分は『好みの進行』と『簡明であること』が大事と考えています。例えば、ABCの選択肢があり、Aが自分の好きな図、Bが一番評価値の高い図、Cが難しい図という状況。Bは知っていても、Aを選びます。仮に簡明でなくても、自分が好みの図なら選ぶこともあります」

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