AI研究全盛期だからこそ『人間的な着想』が重要【藤井浩貴三段インタビュー】
今回は多くの棋士から『AI研究で最先端を走り続けている』と定評のある藤井浩貴三段にインタビューをお願いした。「AI研究は大事ですが、対人戦を想定した人間的な発想、そして自分好みの打ちやすさを重視している」と語った。AI研究が全盛期の時代で何が大事であるか、振り返っていく。
(1月4、11、18日に講座「現代碁の最前線」を担当します)
AI研究の強み
――AI研究でどのような強みを持てますか?
「序盤から知っている形で打てるので、安心感もありますし、精神的に良い影響へ繋がると思います。後は、部分的な戦いの手札も増えて、戦術の幅が広がる利点もあります」
――多くの手札がある中で、どのように決断を下しますか?
「自分は『好みの進行』と『簡明であること』が大事と考えています。例えば、ABCの選択肢があり、Aが自分の好きな図、Bが一番評価値の高い図、Cが難しい図という状況。Bは知っていても、Aを選びます。仮に簡明でなくても、自分が好みの図なら選ぶこともあります」
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