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許、深い読みで勝ち切る【第72回NHK杯】

 2回戦最終局、ベスト16が出揃う。許家元九段(26)は10年連続10回目、孫喆七段(28)は6年連続6回目の出場。若手トップ同士の対決は、許が序盤からパワーを発揮、勝負手を連発する孫を押し切った。解説は寺山怜六段。


〈第72回NHK杯2回戦・第16局〉
白 許家元九段 黒 孫喆七段

許(左)と孫

※最終譜のあとに棋譜再生機能があります。

〈第1譜〉1―30

 ともに日本棋院東京本院所属。対戦は6度あり、許の5勝1敗。いずれも中押しである。「許さんは今も昔も豪腕の力戦家。名前と違って、決して許してくれません。孫さんは軽く、明るい。対照的な棋風です」と寺山六段。
 立ち上がり、黒11のヒラキが少々目新しい。「Aの星なら定石。このあたりは、どこに打っても一局」。白14と早速、打ち込む。これが許の棋風である。「黒15とボウシにかぶせ、競り合いが始まります」。
 白30まで、黒は厚みを築き、白はそれなりの地を持って、軽く一段落。「互角。途中、白16が手筋。黒19でBなら白20とし、いかようにもサバけるという判断です」。白30で1図、1のノビは打ち過ぎ。「黒2が急所の一撃で、下辺白は即死。ここで終わってしまいます」。

1図

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